
頼久は朝目覚めるとすぐに着替えてニコニコと台所に立った。
冷凍庫を開けて楽しそうに中を眺めてそこからいくつかの皿を取り出すと大事そうに電子レンジへ入れた。
加熱すること数分。
チンという金属音がするのと同時に頼久は電子レンジを開けて中から湯気の立つ料理を取り出すとそれをテーブルへ並べた。
そう、これは昨日のパーティのためにとあかねが作ってくれた料理の一部だ。
学生の4人は本日全員登校。
頼久はクリスマスが終了して一人家で過ごす日常に戻ってきたのだが、こうしてクリスマスの名残のおかげで幸せな朝を迎えていた。
朝食をあかねの手料理でむかえられるなどなかなかあることではない。
頼久が料理の前で手を合わせて心のうちであかねに感謝を述べてから箸を手にしたその瞬間、テーブルの端に置いてあった携帯が鳴った。
『お前、何やってんだ。』
開口一番電話の向こうでそう言ったのはもちろん天真だ。
学校で授業を受けているはずの頼久の真の友は心の底からあきれたような声を出していた。
『あかねから聞いたぞ。お前、昨日、あかねが泊まりたいって言ったの断ったって?』
「うむ。」
『うむ、じゃねーよ。男見せろっていったろうが。』
「見せただろう。」
『どこがだ!どこが!据え膳食わぬは男の恥だろうがっ!』
頼久は携帯を耳に当てたまま深い溜め息をついた。
「では一つ尋ねるが、神子殿は悲しそうにしておいでだったか?」
『……いや、それはねーな…そういやなんでか楽しそうにしてた。』
「そういうことだ。」
『はぁ?』
「それより天真、大晦日と元日は付き合え。初日の出を見るぞ。」
『おいおい、お前そろそろ学習し…。』
「神子殿のためと思って付き合え。元日は共に朝を迎えると約束をしたのだ。」
『俺達が一緒じゃねーと朝も迎えられないってか?』
「そういうことだ、今のところはな。」
電話の向こうで天真が深い溜め息をつくのが聞こえた。
だが、次に聞こえてきた天真の声で頼久はその口元に笑みを浮かべた。
『まったく、お前らはほんと、手がかかるな。しゃーねぇ、初日の出は付き合ってやるよ、蘭と詩紋もつけてな。』
「うむ。」
『うむ、じゃねーよ、まったく。これから何年つきあわされるんだか…。』
「用がないなら切るぞ。邪魔をするな。」
『邪魔?なんのだよ。』
「朝食のだ。せっかく加熱した神子殿の手料理が冷める。だいたいお前、今授業中じゃないのか?」
『サボったに決まってんだろ…って、バカらしくなってきた…授業出るわ、じゃぁな。』
言うが早いか天真はすぐに電話を切った。
頼久は苦笑しながら携帯を置くと、冷め始めている料理を眺めて表情を崩した。
湯気が上がっていようと冷めていようとあかねの手料理には違いないのだ。
一週間後はあかねと共に新年を迎えることができる。
そう思えば楽しさも一段と増す。
頼久は朝、昼、晩と一週間後の大晦日を想像しながら幸せに満ちた食事をあかねの手料理で済ませるのだった。
管理人のひとりごと
ということで、後日談でした♪
こうして大晦日編へ続きます(爆)
冷凍した料理をレンジでチン、生活観あふれる頼久さんでした(’’)
でも、冷凍だろうと何だろうととにかくあかねちゃんの手料理なら幸せみたいですね、頼久さん(’’)
これからはあかねちゃんが料理たくさん作って冷凍しておいていきそうです(爆)
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