
あかねはベッドの中で赤い顔でじっとしていた。
顔が赤いのはもちろん熱があるせいではある。
だが、ベッドサイドに座って微動だにしない恋人の視線も顔を赤くしている要因の一つだった。
「あのぉ、頼久さん、本当に大丈夫ですから…。」
「私の看病はお邪魔でしょうか?」
「そういうわけじゃ…。」
邪魔、なわけではない。
いてくれた方が嬉しいのは嬉しいのだが、だからといってパジャマでベッドにもぐりこんで、髪もぼさぼさで…
こんなみっともない姿を恋人に見られたいわけもない。
あかねはそんなこんなで熱が下がりようもない状況に陥っていた。
「でしたらどうか、看病をさせて下さい。先日、私を看病して頂いたばかりにこのようなことになっているのですから。」
「そ、そんなことは…。」
頼久の言うとおり、珍しく風邪をひいた頼久の看病をしてまんまとあかねがその風邪をもらってしまったのだが…
だからといって頼久があかねの看病をしなくてはならないという話ではないはずで…
「お嫌ですか?」
「嫌じゃないんですけど…恥ずかしい、です…。」
「恥ずかしいですか?」
恋する乙女にとっては重要な問題も、頼久には理解ができない。
髪がぼさぼさだろうがパジャマ姿だろうが、頼久にとっては美しく愛しい人に違いはないのだ。
「だってこんなかっこうで…髪だって今日まだブラシ入れてないし、熱で顔赤いし…。」
「そのようなことお気になさらず。神子殿はどのようなお姿でも素晴らしくていらっしゃいます。」
「またそういうことを平気な顔で…。」
更に顔を赤くしてあかねが掛け布団に顔半分をうずめれば、頼久は優しく微笑んでそれを見守る。
「事実ですので。それより、何かほしいものはありませんか?お持ちしますが。」
「今はいいです。」
「では、私がここでお守り致しますので安心してお休み下さい。」
「お守りしてって…ここは京じゃないんですから守ってもらわなくても大丈夫ですよ…。」
そんなふうに抗議しても頼久はやわらかな微笑でかわすばかりでどうやら引き下がってはくれないらしい。
それでも京にいた頃よりずっとやわらかくなった笑顔が嬉しくて、あかねは静かに目を閉じた。
恥ずかしい気はするけれど、でも、目覚めた時にまだ側にこの人がいてくれるといい。
ついそんなことを思いながら。
管理人のひとりごと
やっぱり恋する乙女としては外見は気になります(笑)
看病もしてほしいし、あかねちゃんとしては複雑です(’’)
頼久さんはそれどころじゃなくて、もうあかねちゃんを治したくてそのことで頭が一杯です。
病気しているときって頼りになる人が側にいてくれると早くよくなる気がしませんか?(’’)
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