ポーカーフェイス
 頼久の家にいつものメンバーが集合していた。

 定期テストが終わったので息抜きに集まって騒ごうと天真が言い出して、皆、すぐに集まったのだ。

 テーブルの上には詩紋がさっき焼いたばかりのクッキーが並び、あかねのいれた人数分の紅茶がクッキーを囲んでいる。

 そして、テーブルを挟んで向かい合った頼久と天真はずっとトランプの勝負を続けていた。

「二人ともそんなに真剣になんていうゲームやってるの?」

「別に私は真剣にやっているわけではないのですが…。」

「頼久さんはいつもそういう顔だからねぇ。」

 蘭が口をはさむとあかねがきりっと蘭を睨んだ。

「そんなことないよ。みんなといる時は楽しそうにしてるじゃない。」

「ハイハイ、わかるのあかねちゃんだけだから。」

「そんなことないって…。」

「うわっ、お前またはったりかよっ!」

 蘭とあかねが不毛な会話を交わしている間に天真がテーブルの上へ手にしていたトランプを放り投げた。

「何やってるの?二人で。」

「ポーカーだよ、あかねちゃん。」

「なんでまたポーカーなんて…、」

「ポーカーフェイスっていうじゃない?頼久さんいつもポーカーフェイスだから向いてるんじゃないかって天真先輩が。」

「ためしに教えてみたら強いのなんのって、マジでいい手がまわってきてんのかはったりなのかぜんっぜんわかんねーの。」

「それで、頼久さんにポーカー教えてどうするつもりなの?」

「どうするってそりゃ賭けで…。」

 うっかり天真があかねの問いに答えそうになって慌てて口をつぐんだ。

 だが、あかねの鋭い視線はもう天真を逃さない。

「頼久さんにギャンブルさせるつもりだったのね!」

「勝てるんだからいいじゃねーか。」

「よくない!」

 立ち上がって腰に手をあてて怒り出したあかねに天真がおののいている間に、頼久はあかねの腕をそっと引いてソファに座らせてしまった。

「頼久さん?」

「天真の思惑など先刻承知です。賭け事に手を出したりなど致しませんから、神子殿もそのようにお怒りにならず。」

「そ、そうですよね。頼久さんそんなことしませんよね。」

「もったいねーな、それだけ表情変えずにはったりかませるのに。」

「大丈夫よ、お兄ちゃん。これだけのポーカーフェイスなら他にも使い方があるから。」

 一同の視線が一斉に蘭に向く。

「頼久さんなら絶対浮気してもばれないと思う。気をつけてね、あかねちゃん。」

「蘭!」

「浮気も致しませんので、そうお怒りにならず…。」

 きゃっきゃとはしゃぐ蘭に腹を抱えて笑う天真、あきれて深い溜め息をつく詩紋。

 彼らの前で怒るあかねを頼久はしばらくなだめなくてはならなかった。




管理人のひとりごと

珍しくちょっとギャグっぽく(’’)
実は頼久さんの回りにいるのは現役高校生ばかりですからねぇ。
テンションの高さについていけないこともあるのです(w
一番近い天真君もほら、実は高校生。
困り果てつつも大人な頼久さんでした(^^)





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