
「というわけで、お兄ちゃん、緑のリボンまで行ってケーキ買ってきて。」
「あん?」
夏休みまっさかりということでいつものように頼久の家に集まったあかね、天真、蘭、詩紋のよ4人はビデオも見飽きてゲームにも飽き、ただひたすらおしゃべりというヤツを続けていたのだが、急に詩紋と蘭がおいしいケーキ屋の話で盛り上がり、食べたいという結論に達した。
おかげでお使いに抜擢されたのが天真というわけだ。
もちろん天真がいい顔をするわけがなく、兄妹喧嘩一触即発の雰囲気があっという間に成立した。
睨み合う兄と妹。
そしてその間にはさまって顔を青くしている詩紋。
三人を眺めて悲しそうな顔をしたあかねはそのまま頼久へと視線を移した。
頼久はというとそんな一同を苦笑を浮かべて見守っていたのだが、そこへ愛しい恋人の視線が向けられてすぐにその視線の意味を読み取った。
あかねのすがるような愛らしい目に見つめられて一瞬うっとりしかけた頼久は、すぐ我に返るとあかねに優しい笑顔を浮かべてうなずいて見せた。
「天真、行くぞ。」
「あ?」
「車を出してやる。案内しろ。」
「お前なぁ…。」
「さっすが頼久さん、話がわかる!お兄ちゃんとは大違い!」
大喜びの蘭に食ってかかろうとする天真の腕をつかんで、頼久は玄関へ向かった。
途中、ちらりとあかねを見ると、あかねは嬉しそうな微笑を浮かべて小さく手を振っていた。
どうやらあかねの役に立てたらしいと頼久が満足げな顔で車に乗り込み、助手席にしぶしぶ天真が座る。
「お前、ほんっとあいつらに甘いのな。」
「買い物くらいどうということはないだろう。」
そんな会話を交わしながら頼久がエンジンをかけると、急にステレオが聞きなれない洋楽を奏でた。
「な、お前、CDって、これ…ラジオじゃねーのかよ…。」
「ああ、それがどうかしたか?」
「…いや……どうって…お前のイメージじゃねーっつうかなんつうか…お前、洋楽なんか聞くんだな。」
「いや、よくは知らぬ。神子殿が私のイメージだからと買ってきて下さったのだ。」
「………なるほどな…。」
また神子殿かよ、と、天真が心の中でつぶやいているうちに頼久が運転する車はゆっくりと発進した。
運転手の顔にはもちろん、愛しい恋人から贈られた音楽を聞いて満足げな笑みが浮かんでいた。
管理人のひとりごと
管理人は何人か洋楽で聞くアーティストがいます。
で、聞いていて、頼久さんが聞いてたら合わないなぁと思っただけのお話(マテ
音楽とか絵画とかまぁ芸術系のものはあまりイメージできない気がしますね、頼久さん武士だし(’’)
武士だからって芸術に縁がないというわけではないとおもいますが、まぁ、頼久さんだから(マテ
プラウザを閉じてお戻りください