
家にこもってばかりじゃ絶対体に悪いです!
夏休みも終わろうという頃になってそうあかねが力説し、人目を避けたい頼久とどうしても頼久を外へ連れ出したいあかねとの間に会議が開かれた結果、二人は森林公園へやってきていた。
平日の広大な森林公園。
ここならば人はさほどいないだろうという二人の一致した意見で、出かける先は平日の森林公園に決定したのだ。
二人が予想した通り、公園にはたまに小さな子供を連れた母親がいるくらいで、頼久に注目するような若い女性も、あかねに注目するような若い男性も見当たらなかった。
だから、二人は木々の間にしつらえられた道をゆっくりと歩くことができた。
木漏れ日に照らされる互いの姿を時折ちらりと眺めながら、二人は何も言わずにただ静かに歩き続けた。
流れる心地いい夏の風。
夏の陽射しが強くてりつけていても木々の葉は二人をその木陰に優しく守ってくれて、とても過ごしやすい。
いつの間にかあかねはそっと頼久の左腕を抱いて。
一瞬驚いた頼久もすぐに微笑んで振りほどくこともせずに。
二人は静かに腕を組んだまま歩き続ける。
誰にも邪魔されない静かな時間。
「あ。」
あかねが小さな声をあげて立ち止まったのは、公園のちょうど中心ほどにやってきた時だった。
頼久があかねの視線の先へと目をやると、そこには飼い主と戯れる可愛らしい小さな犬の姿があった。
飼い主が楽しそうに笑っているその姿も微笑ましい。
頼久の顔にも自然と笑みが浮かんだ。
「かわいいですねぇ。」
「はい。」
「もぅ、あの白くてふわふわな感じがギュッってしたくなるんですよねっ!」
そう言ってにこにこと幸せそうなあかねを見つめていた頼久はすっとあかねに抵抗する隙を与えずにその華奢な体を抱きしめた。
「頼久さん?」
「確かにあの子犬は愛らしいですが、私にとっては神子殿の方がこうして抱きしめたくなるほど可愛らしくていらっしゃるので。」
「そ、そんなことは…。」
恋人の腕の中でその顔を真っ赤にするあかね。
だが、次に頭上から降り注いだ恋人の言葉に、あかねは更に赤くならずにはいられなかった。
「お慕いしております、神子殿、心から。」
管理人のひとりごと
管理人、犬も好きなので(爆)
他サイト様では頼久さんが忠犬扱いな所が多かったので、うちでは犬を愛でる方にまわってもらいました(笑)
まぁ、結局のところ頼久さんにとっては犬よりあかねちゃんだったわけですが(’’)
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