愛玩
 あかねは頼久と二人、珍しく繁華街を歩いている。

 何故かというと、夕飯を天真、蘭、詩紋の三人と一緒にとることになり、夕飯の材料を買出しに出てきたのだ。

 頼久宅の庭でみんなでバーベキューしようという計画で、5人分の食材の買出しに二人で出てきたと言うわけだ。

 夏休みとはいえ、平日だから繁華街もそんなに込み合っているわけではなくて、大量の野菜や肉を入れた袋を結局ほぼ一人で持った頼久と、財布の入ったカバンとデザートを入れた小さな袋を持ったあかねの二人はゆっくりと落ち着いた気分で繁華街を歩くことができた。

 そんな中、ある店のショーウィンドウの前であかねが急に立ち止まった。

「うわぁ。」

 感嘆の声をあげてショーウィンドウの向こうに見惚れるあかね。

 その隣に並んで頼久は優しい笑みをこぼした。

「子犬ですね。」

「かわいいですよねぇ。」

 あかねが立ち止まったのはペットショップの前。

 ショーウィンドウの向こうには白くて小さな子犬が眠っていた。

「犬がお好きなのですか?」

「犬大好きです!飼ってみたいなぁ。」

「御自宅では無理なのですか?」

「うち、お父さんがアレルギー持ってて、動物の毛とかダメみたいなんですよねぇ。」

 そう言ってうなだれるあかね。

「では、神子殿がうちで暮らすようになられた時に飼うということに致しませんか?私一人では世話を忘れそうですので。」

「あぁ、そうですね、そうしま……しょ、う?」

「何か?」

 途中で何かに気付いたらしいあかねは隣に立つ長身の恋人のきょとんとした顔を見上げていきなり真っ赤になった。

 頼久が小首を傾げる中、あかねは何も言わずに頼久の手を引いて歩き出す。

「神子殿?」

「な、なんでもないです。」

 恋人の手を引いて歩きながらあかねは心の中で物凄い勢いで色々なことを考えていた。

 頼久さんの家で暮らすようになるていうことは、それは同棲してるか結婚してるっていうことで…

 そういうふうになるっていうことは頼久さんのことだからそうしようっていう話をちゃんとしてくれるわけで…

 たぶんそれってプロポーズみたいなもので…

 考えれば考えるほど恥ずかしくて赤くなってしまうあかねに、頼久は小首を傾げながらついていくしかできないのだった。




管理人のひとりごと

管理人が犬を飼っているので一度は犬ネタやりたかったんです(’’)
あかねちゃんなら絶対に子犬かわいい!て言うと思いますし。
二人で犬の散歩をするところとかもう微笑ましすぎます…
いつかそういう場面も書けたらいいなぁ♪





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