詩紋が手作りしたと持ってきてくれた桜餅をテーブルの上に並べて、あかねは玉露をいれてみた。
頼久の自宅、居間のいつもの席。
向かい側に座っている頼久はいつものように静かに微笑んでいる。
春ももうそろそろ終わりだからと、行く春を惜しんで詩紋が作ってくれた桜餅は桜のいい香りがした。
「相変わらず詩紋君は上手に作るなぁ。」
そういいながら桜餅を一口食べてみたあかねは幸せそうな笑顔を浮かべた。
幸せそうなあかねを見つめながら頼久も一緒に桜餅を口にする。
「いい香り。」
「そうですね。」
「でも、人間って欲深いなぁ。」
「はい?」
「だって、咲いている花を見て綺麗だって言うだけじゃ足りなくて、こうやって食べちゃうんですもん。桜のお茶とか桜のジャムとかもあるの知ってます?」
「ジャムは初耳です。」
「あと、バラだってローズティがあるでしょ?スミレの砂糖漬けっていうのもあるし、人間って綺麗に咲いているところを楽しんだり、香りを楽しむだけじゃ足りなくて、最後には食べちゃうんだなぁって思って。」
感慨深そうにそう言って桜餅を眺めながらあかねは湯飲みに口をつける。
頼久はそんなあかねの言葉の意味をじっくり考えるとあかねの隣に移動した。
不思議そうに自分を見上げるあかねの頤に手を添えて、頼久はかすめるように軽く口づけた。
「よ、頼久さん?」
「私も欲深いので、美しい人を眺めているだけでは足りないようです。」
「はぅっ。」
至近距離でさらりと言われてあかねは真っ赤になってうつむいた。
そんなあかねがまた愛しくて、頼久がそっと肩を抱きしめる。
これはもうおいしくお菓子を頂くどころではなくて…
二人はすっかり玉露が冷めてしまうまで、そうしてたたずんでしまうのだった。
管理人のひとりご
管理人がね、好きなんです、桜餅とか桜茶(’’)
まぁ、最終的にあかねちゃんの方がいただかれちゃってるのはご愛嬌です(’’)
花は見ているのも綺麗だし、香りも心地いいし、食べてもおいしい♪
でも、管理人は飾るのが苦手です。
何故なら、すぐ枯らすからです(’’)
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