
あかねは頼久の家へ向かって走っていた。
朝、寝坊をしてしまって、しかも起きてすぐ母親にお使いを頼まれてしまって、頼久にお昼ご飯を作ってあげると宣言していたにもかかわらず、家を出るのが遅れてしまったからだ。
一応、頼久に遅れるとメールを出してはおいたけれど、このままじゃお昼ご飯に間に合わなくなると一人焦ってしまって、足は自然と頼久の家に向かって走っていた。
とにかくお昼ご飯に間に合わせないと。
あかねの頭にあるのはそれだけだ。
そして頼久の家、玄関の前に立ってもいつものように頼久が出てこないので、あかねは念のためにと持ってきていた鍵を使って中へ入る。
もしかしたら自分があまり遅いので何か買い物とかに出かけたのかもしれない。
仕事の調べ物でちょっと図書館へということも十分にあり得る。
そう思ってあかねはちょっとがっかりしながら中へ入った。
綺麗に片付いているリビングはいつもの通り。
書斎のドアの前に立ってみても頼久は出てこないからやはり書斎にもいない。
いれば必ず気配を感じて出てくるはずだ。
これはもうもの凄く待たせてしまったのだとあかねが悲しげな溜め息をついたその時、頼久は思いもかけないところから姿を現した。
「神子殿、もうお着きでしたか。」
そう言って嬉しそうに微笑んだ頼久はというと…
肩からバスタオルを羽織った状態で、下はジーンズをはいているのだが上半身は裸で、長い黒髪は濡れている。
バスタオルで髪からしたたる雫を拭きながら微笑みかける頼久が妙に色っぽくてあかねは顔を赤くしたまま絶句してしまった。
そう、頼久が出てきたのはバスルーム。
どうやらあかねは風呂上がりの頼久に出くわしたらしいのだ。
「神子殿?どうかなさいましたか?」
「ど、どうかって……。」
男なのだから上半身裸でも一向に問題はないので、頼久は全く気にしていないらしいのだが、あかねはもうどうしていいのかわからずにあたふたしている。
「その…神子殿を不愉快にさせるようなことを何か致しましたか?私は。」
「ふ、不愉快じゃないんですけど……その…恥ずかしいから服を着てくださいっ!」
ようやくそれだけ言うとあかねは真っ赤な顔のままキッチンへ駆け込んだ。
頼久はなるほど自分のいつもとは違う出で立ちが原因かと納得して、少しばかり悪戯心を起こした。
台所で何やら忙しげに作業を始めた恋人を上半身裸の姿のまま背後から抱きしめてしまったのだ。
『きゃっ』と可愛らしい悲鳴をあげたあかねは顔を真っ赤にしたまま凍りつき、結局、頼久が満足して解放してくれるまでそのまま抱きしめられてしまうのだった。
管理人のひとりごと
珍しく頼久さんが悪戯してます(爆)
たまにはこれくらい(マテ
その辺の男の人が上半身裸でもまぁなんとも思わないんでしょうが、意識してる相手となると話は別だと思うんですよねぇ。
特に、相手は頼久さんだし、鍛えてるだろうし(笑)
管理人、個人的には頼久さんの濡れた解き髪に惚れます(’’)
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