頼久は机の上の時計で時刻を確認し、開いていた本を閉じた。
そして、いそいそと家を出て車に乗り込む。
向かう先はあかねの通っている大学だ。
何故、そんなところへ向かっているのかといえば、あかねの授業が終わってから二人でデートの約束をしているからだ。
浮かれた気持ちを抑えて頼久は車を大学の前へと止めた。
車から降りて正門を見つめれば、中からはあかねと同じ年頃の男女が行き来するのが目に入った。
大学から出てくる学生達の視線がやたらと自分に集中しているような気がするが、頼久は気にしないことにしていた。
視線を無視しつつ車の横で少し待てばゆっくりした人の流れの奥にあかねの姿が見え始めた。
友人と共に楽しそうに歩いてくる恋人の姿はまぶしくて、頼久は愛しそうに目を細めた。
まだあかねは頼久の姿に気付いていないようで、友人との楽しそうなおしゃべりに夢中だ。
あかねが楽しそうにしていることは嬉しくもあるが、あかねが自分以外のことに夢中になっているのを見るのは少しばかり寂しくもあって…
自分の中の複雑な想いに頼久が苦笑しているうちに、あかねが慌てた様子で駆けてきた。
「頼久さん!待ちました?」
「いえ、それほどでもありません。」
頼久の姿を見つけて慌てて走ってきたらしいあかねは、頼久を幸せそうな笑顔で見上げた。
「ご友人とのお話はもうよろしいのですか?」
「はい。」
「楽しそうに話しておいででしたが…。」
「ああ、それはその…頼久さんのことを話していたから…。」
あかねは紅い顔で恥ずかしそうにうつむいた。
頼久はというと思いがけないあかねの言葉に目を丸くしてから、車の助手席のドアを開けた。
「どうぞ。」
「有難うございます。」
嬉しそうに車に乗り込むあかね。
頼久は自分も運転席に乗り込むと、すぐに車を発進させた。
隣には幸せそうな様子のあかね。
友人と話をしている時も自分のことを思ってくれていた恋人の隣で、頼久の口元は幸せそうに緩むのだった。
管理人のひとりごと
まぁ、バカップルってことですね(’’)
あかねちゃんが楽しそうに話すことなんて頼久さんのことに決まってるじゃなぁい♪
そんなふうには思えないのが頼久さんでもあります。
まぁ、最後はあかねちゃんが教えてくれて幸せになっていればOK!