
「頼久さん!どうしてそこでまた妬くんですか!」
あかねは隣に座って苦悩しているらしい頼久に向かってそう大声をあげた。
事の発端は友雅からの文。
私の愛しい白雪に最もふさわしいものを贈るよとかなんとか書いた文が綺麗な橘の花と共に届いたことが頼久を一変させた。
久々の休み、頼久があかねと二人の時間を楽しんでいたところへその文だ。
相変わらず流暢な友雅の文字はあかねには解読できなくて、共にいた頼久が朗読して聞かせた。
その内容が内容だったものだから、頼久の表情は一気に陰り、その原因に思い当たったあかねがキレたというわけだ。
「友雅さんはただの仲間だって何回言ったらわかるんですか!だいたい、友雅さんはああいう性格だから、絶対からかって面白がってるだけなんですから!」
大きな声であかねがそう言うと、頼久がキリリと視線を上げた。
本来、敵をも圧倒する眼力の頼久だ、あかねは予想だにしない頼久の反応とその視線に圧倒されて目を丸くした。
「私が友雅殿に妬いてなんのおかしなことがございましょう!」
「はい?だって、頼久さんは夫ですよ?友雅さんは仲間、妬く必要なんか…。」
「夫が妻の仲間に妬いてはならぬという決まりがございましょうか?」
「そ、それは、ない、ですけど……。」
「私には当然のことと思われます。友雅殿は私などでは到底及びもつかぬお方。その身分、容姿、教養、どれをとっても……。」
「そんなことありません!そこは私だって譲りませんから!」
「は?」
「友雅さんは確かにステキですけど、頼久さんはもっとステキなんですから!いいですか!頼久さんは凄くまじめだし、優しいし、しかも誰にでもじゃなくて、私に特別優しいし、それにそれに、いつも落ち着いてて真剣に私の話を聞いてくれて、とにかく友雅さんよりずっとステキな旦那様です!これだけは譲れませんから!」
もう絶対に譲らない。
そんな気迫が伝わってくるあかねの表情をキョトンとした顔で眺めていた頼久は、ぐっとあかねが両手を握って身構えたところで微笑を浮かべた。
突然の変化に今度はあかねが目を丸くする。
「神子殿にそのように言って頂けるとは光栄至極。この頼久、これより先も神子殿にそのように言って頂けるよう、精進致します。」
「精進とかそういう問題じゃない気がするんですけど…。」
顔を赤くしてうつむくあかねの肩をそっと抱き寄せて、頼久はその耳元へと唇を寄せた。
そして…
「ですが、友雅殿と神子殿が親しくなさった時にはまたいくらでも妬きますので。」
「よ、頼久さん!」
「こればかりは致し方ありません。」
「もぅ…。」
ぷっとむくれながらも赤い顔のあかねを抱きしめて、頼久は満足そうな笑みを浮かべた。
いつまでたってもどんなに想い合っていても、あかねの視線が自分以外の男を捕らえただけで妬けてしまうのだからしかたがない。
それでも愛想を尽かさず自分が良いといってくれる妻だから、頼久はこの先もきっとこの人を大切にしようと想いを新たにするのだった。
管理人のひとりごと
頼久さん逆ギレの図(笑)
もう妬けちまうもんはしかたない!という開き直り(w
そうなっちゃうとあかねちゃんももうどうしようもありません。
あかねちゃんの力説で頼久さんは幸せそうですがね(’’)
この二人は始終こんな、惚気倒しみたいなことをしてるといい!
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