縁側
「お天気いいですね。」

 あかねは湯呑を手にそう言って微笑んだ。

 目の前には落ち着いた秋の花やすすきなどが美しい庭が広がっている。

「本当に良い天気になりました。」

 あかねの隣にはこちらも機嫌よさそうに微笑んでいる頼久の姿があった。

 二人は今、緑茶の入っている湯呑みを手に縁側に二人並んで仲良く座っていた。

 綺麗に晴れた秋の日を満喫中というわけだ。

 縁側には優しい秋の陽が射し込んでいてポカポカと温かい。

「気持ちいいですねぇ。」

「はい、とても。」

 二人はそう言って笑みを交わした。

 こうして静かに時が流れている間は言葉を多く必要とはしない。

 あかねと頼久、二人の間にはただ穏やかで静かな時が流れていた。

「神子殿、お疲れではありませんか?」

「どうしてですか?」

「ここのところテストも多かったですし、よく眠っていらっしゃらないのではないかと。」

「そんなことは…。」

 うつむくあかねの手から湯呑みを取り上げてそれを傍らへ置いて、頼久はあかねの肩を抱いた。

「頼久さん?」

「今日は本当に良い天気です。この陽の下での午睡も心地よいのではと思いますが。」

「それは私にお昼寝しろって言ってます?」

「はい、神子殿のお体が第一です。」

「でもせっかく…。」

「神子殿の眠りを守る役目を私にお与え頂けませんか?」

「眠りを守るなんてそんな…。」

 大げさなといおうとして頼久の顔を見て、あかねはクスッと笑みを漏らした。

 頼久の顔にどこか楽しそうな表情が浮かんでいたから。

 そしてあかねはそっと頼久の肩に頭を預けて目を閉じた。

 しっかりと大きな手が肩を抱いていてくれて、その手から伝わる温もりは優しくて…

 秋の陽射しよりもずっと暖かいその温もりはあかねをすぐ眠りへといざなって…

「神子殿、ゆっくりお休みください。」

 耳元で囁かれたその低い声に、あかねの口元はかすかにゆるみ…

 そして次の瞬間、あかねはもう寝息をたてていた。

 頼久はそんなあかねの様子に満足そうな笑みを浮かべると、細い肩を抱く手にそっと力をこめた。





管理人のひとりごと

神子殿をお守りする役目は誰にも譲らない人なので(笑)
現代にきてもそのつもりですよと。
どんなに忙しくても小春日和の秋の陽にお昼寝くらいはしたいものです。
はい、管理人もしたいです(’’)









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