ゆめうつつ
 夏の強い日差しが窓から差し込んで、エアコンがフル稼働しているのに部屋の中は少し暑く感じるくらいだ。

 そんな中で朝早くから頼久のもとを訪れたあかねは、約束どおり頼久と二人で数学の宿題を済ませた。

 二人ともが苦手にしている数学の問題はなかなか手ごわくて、本日分の宿題を終わるまでには午前中いっぱいが必要だった。

 昼食の準備は二人で仲良く台所に並んで。

 食べる時は向かい合って。

 どこかへ出かけたりはなかなかできないものの、それでもあかねは頼久と二人きりの時間を満喫できるステキな夏休みを過ごしていると思っている。

「おいしかったですね、冷製パスタ。」

「御子殿はまた料理の腕を上げられました。」

「そういってもらえると…頼久さんに言ってもらうのが一番うれしいです。」

 そう言って本当にうれしそうに微笑むあかねを見て、隣に座る頼久も幸せそうな笑みを浮かべた。

 二人並んでソファに座ればいつもの午後。

 夏は少し暑いけれど、エアコンがきいている部屋なら平気だ。

「毎日のように頼久さんに会えて、こんな快適な環境で宿題させてもらって、私ってほんと幸せ者です。」

「快適な環境、ですか?」

 頼久が小首をかしげていると、あかねはくすっと笑ってエアコンを見上げた。

「実はうちってリビングにはエアコンついてるんですけど、私の部屋にはないんです。だから、宿題を汗だくで自分の部屋でやるか、お母さんの見てるテレビの音に邪魔されながらリビングでやるかっていう選択になっちゃって…。」

「なるほど。」

「ここだと涼しくて集中しやすいし、それに…。」

 あかねは少し赤い顔で頼久の肩にコトリと頭を乗せると目を閉じた。

「頼久さんがずっと手伝ってくれるからすぐに宿題終わっちゃいます。」

「お役に立てていればいいのですが。」

「すごーく助かってます。本当に。」

 珍しくあかねが自分から寄り添ってくれたのがうれしくて、頼久はそのままあかねの肩を抱くと目を閉じたままの恋人の顔を優しく見つめていた。

 おそらくすぐに目を開けて今日は何をしましょうか?と問うてくれるのだろうと頼久が心待ちにしていると、その耳に静かな寝息が聞こえ始めた。

 よくよく今までの会話を思い出せば、あかねの部屋にはエアコンがないと言っていた。

 ということは、最近の寝苦しい夜を熟睡できずにいたのかもしれない。

 受験勉強を夜遅くまで頑張っていたという可能性もある。

 これはせっかく快適だと言ってもらえたこの場所で、ゆっくり休んで頂かねば。

 そう心に決めた頼久は、手元にあったリモコンで設定温度を少しだけ上げるとあかねの体をゆっくりと横にした。

 自分の膝が枕になるようにあかねの頭を優しく優しくおろしてやると、あかねは少しだけむずがりはしたものの、すぐにまた寝息をたて始めた。

 目が覚めたらせっかくの二人の時間なのにどうして起こしてくれなかったのかと、かわいらしいお叱りを受けることになるかもしれない。

 だが、いとしい恋人の健康を守るためならばそのお叱りもあえて受けようと心に誓う頼久だった。





管理人のひとりごと

管理人の家にはエアコンがありませんので、ある家は快適だなぁと思っております。
今年は管理人の生息地はそんなに暑くならなかったんですけれどもねぇ。
頼久さんの家は一階の部屋には全部エアコンがついてますよ!
もちろん書斎も!(笑)
っていうか、ついてなかったら御子殿のためにつけるね、間違いなく(’’)(コラ







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