おねだり
 頼久は縁に座ってゆっくり夕焼を眺めている。

 頼久の仕える左大臣が風邪をひいたというので出仕がなくなり、おかげで護衛担当の頼久は急に一日休みになったのだ。

 休みとなれば頼久の過ごし方は一つだけ。

 当然、愛妻あかねと共に過ごすこと、だ。

 頼久の期待通り、朝からついさきほどまであかねは隣にいて、ついさきほど夕餉の準備を見てくるといって去っていった。

 あかねが去っていってから少し時が経ち、もうすぐ冬になるという寒さが辺りに満ちて、夕闇が庭を染め上げる。

 それでも頼久はそんな庭をゆっくりと眺めていた。

 するとそこへ…

「頼久さん。」

「神子殿、夕餉の監督は終わったのですか?」

「監督、じゃないですよ、ちょっと様子を見に行っただけです。だって、一応、私、頼久さんの妻だし。」

 そう言って顔を赤らめながら歩み寄るあかねは可愛らしくて愛しい。

 頼久は満面の笑みであかねを迎えた。

 ところがいつもならすぐ隣に座るあかねが何やら立ち止まって考え込んでしまった。

「神子殿?どうかなさいましたか?」

「別に……。」

 そうは答えながらもあかねはまだ何か考え込んでいる。

 頼久はあかねの顔を見上げながら小首を傾げた。

「お寒いのでしたら中へ…。」

「そ、そうです!」

「は?」

「さ、寒いから、そう!寒いから!」

「でしたら中へ…。」

「じゃなくて!その…あの…寒いからお膝に乗せてもらえませんか?」

 顔を真っ赤にしてそういうあかねに目を丸くして驚いた頼久は、すぐにニコリと微笑んであかねに向かって腕を広げた。

「どうぞ、いつなりと。」

 幸せそうな笑みを浮かべた頼久の膝に、あかねは喜んでちょこんと座る。

 すると頼久の長い腕が優しく抱きしめてくれた。

 すっかり辺りは暗くなって、寒さに冬の気配も感じたけれど、二人は互いのぬくもりで暖かく一時を過ごすのだった。





管理人のひとりごと

ただ単に、いちゃついてほしかっただけ、とも言う(’’)
まぁ、たまにはあかねちゃんの方からアタックしてみました、みたいな?(マテ
頼久さんのお膝はさぞかし居心地がよかろうなぁ…いいなぁ…
と思いつつ、冬の寒さへの支度をする管理人でした(’’)







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