
「結局、頼久もあかねも平和にやってんなぁ。」
天真は妹の蘭と並んで歩いている。
目の前には仲良さげに歩いている頼久とあかねがいた。
「世界が終わったってあの二人は平和でしょう。」
「いや…あいつが剣道部の顧問なんかなったから、あかねのクラスのヤツとか色々いってきたりすることがあるかと思ったんだが…。」
「ああ、それはね…。」
あかねと同じクラスの蘭は「はぁ」と深い溜め息をついた。
「なんだよ。」
「私もね、なんか言ってくるヤツがいたら絶対あかねちゃんを守ってあげるんだって意気込んでたんだけど、全然そんなことにはならないっていうか、なりようがないっていうか…。」
「はぁ?なんでだよ。」
「あれ見てよ。」
妹に促されて前を見れば、手をつないだりはしないものの、二人は仲よさそうにぴったり並んで歩いている。
「あれがどうした?いつものことだろ。」
「そう、いつもあんな感じなんだよ。だから誰もなんにも言えないの。」
「?」
「わかんないかなぁ。たとえば学校で二人でいてもああなんだよ。ただ幸せそうに笑いながら並んでるだけ。」
「そんなん、いつだってそうだろ。」
「だーかーらー、冷やかそうにも冷やかすネタがないじゃない、あれ以上いちゃつかないんだもん。」
「それは…。」
「しかもあかねちゃんと二人でいる時の頼久さんの顔…。」
言われて天真は相棒が恋人と並んでいる時の顔を思い浮かべてみた。
それは、その場で溶けてなくなるのではないかというほど幸せそうな笑顔。
「……。」
「思い出した?あんな顔してる大人の男って見たことある?悪い男にだまされてるんじゃ?とかいう疑惑は消し飛ぶわけよ。あかねちゃんと一緒にいる時の頼久さんって耳とふりふりする尻尾が見えるようだもの。」
「まぁ、な……。」
相棒の名誉のために否定してやりたいところだが、これが全く否定できない天真だ。
「うちのクラスじゃ暖かく見守る方向で落ち着いちゃって、それどころか、もうちょっと頼久さんが積極的にならないとあかねちゃんがかわいそうとかいう子まで出てきてもう……。」
再び「はぁ」と深い溜め息をつく妹に天真は苦笑した。
「まぁ、あれだ、高校卒業してもあの調子が続くようだったら俺が頼久に説教するわ。」
「うん、そうしてあげて。と、クラス中が思ってる、たぶん。」
そう言ってまた溜め息をついた蘭は、やっぱり暖かい眼差しで前を歩く二人を見つめた。
天真が心配するまでもなく、頼久とあかね、二人の関係は周囲の誰にも暖かく見守られているのだった。
管理人のひとりごと
学校でもたまに二人でいることができるようになった頼久さんとあかねちゃん。
普通は周りが冷やかしたりとかよけいなことを言ってきたりとかすると思うのです。
でも、ワンコな空気であかねちゃんに懐く頼久さんと、それで幸せそうなあかねちゃんを見ては誰も何もいえないというお話(笑)
というかむしろ、もうちょっといちゃついてくれというくらい健全なお付き合いの二人というお話(爆)
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