憧れ
「よかったねぇ、あかねちゃん。感動したよねぇ。」

「うん、すっごくよかった。私感動して泣いちゃった。」

 あかねと蘭はいつものように頼久の家に集まってDVDなんかを見終わったところだった。

 恋愛映画で戦争しているさなか、恋人達は自分達の国が敵国同士ということで引き裂かれ、何年も後に再び結ばれるという定番のような話だったが、女性二人は目に涙を浮かべて感動したらしい。

 そんな様子を頼久と詩紋は暖かい眼差しで、天真一人はあきれたような眼差しで見守っていた。

「普通に恋するのももちろんステキだけど、ああいうふうに障害が多い恋愛もステキだなぁ。でもなかなかできないよねぇ。」

「そうだよねぇ。大恋愛、憧れるよね。」

 蘭の言葉にそう答えて紅茶を口にするあかね。

 ところが、蘭はというとそんなあかねの言葉にうなずくでもなく、黙って視線を頼久へ向けた。

 するとそこには、これまたいつものように眉間にシワを寄せている頼久が座っていて…

「頼久。」

「ん?」

「お前今、神子殿のお望みを叶えて大恋愛をさせて差し上げるにはどうしたら…とか考えてただろ。」

「よくわかったな。」

『はぁ。』

 驚いたような頼久の返事に天真、蘭、詩紋の3人は同時に溜め息をついた。

「頼久さん、そんなに気にしないで下さい。憧れちゃうなぁってちょっと思っただけなんですから。」

 と、こちらは優しく微笑むあかね。

「神子殿。」

 頼久が感動してあかねに見惚れている間に残る3人は再び深い溜め息をついた。

「お前らなぁ、根本的に間違ってるからな。」

「へ、何が?」

 きょとんとするあかねに天真は首を横に振った。

「あのね、あかねちゃん。あかねちゃんは大恋愛に憧れる必要ないから。」

「なんで?」

「よく考えてみて、あかねちゃんってもうじゅうぶん大恋愛してるから。」

「へ。」

 蘭の言葉にあかねは頼久と顔を見合わせて考え込んだ。

 目の前にいる恋人はというとよく考えてみれば違う時空で怨霊や鬼なんかと戦っている間に想いを通わせた相手であり…

 更に言えばその違う時空からこの世界へ連れてきてしまったわけで…

「どこの世界に時空を越えた恋愛してるやつがいるよ…。」

「そ、そうでした…。」

 天真に駄目押しされてうつむくあかね。

 それを見て微笑んでいた3人は頼久へと視線を移して再び溜め息をついた。

 頼久はというと、どうやらあかねの憧れる大恋愛をさせているらしい自分に満足げな笑みを浮かべていたのだった。





管理人のひとりごと

そう、あかねちゃんはぶっちゃけお持ち帰りしちゃってるからね、現代EDは(’’)
大恋愛っちゃもう物凄い大恋愛だから、この二人は(笑)
でも、そんなことも普通になっちゃうくらい、この二人は二人でいることが自然になりましたってお話です。たぶん(’’)






プラウザを閉じてお戻りください