あかねはまだ信じられないような思いで歩いていた。
京での戦いを終えてこの世界へ戻ってきたのが一週間前。
戦いの中で芽吹いた想いが帰るまでに恋心に育つのにはなんの苦労もなくて、全てが終わったら元の世界へ帰るのだとわかっていても想いは止められなくて…
それでもこの世界へ帰らなくてはならなかったあの日、あかねはどうしても離れたくないその人が「私も共にお連れ下さい」と言って差し伸べてくれた手を握ったままこの世界へ帰ってきたはずだった。
それなのに、この世界で気付いてみると自分の手の先にはその人…頼久の姿はどこにもなかった。
天真や詩紋はすぐそこにいるのに一番いてほしい人の姿は見えなくて、必死に辺りを捜して喉が裂けるのではないかというほどその名を呼び続けて、それでも結局どこにも頼久の姿はなかった。
やはり違う世界に生きる人と共にいることはできなかったのかと納得した瞬間、あかねは天真と詩紋の前で泣き崩れてしまった。
二人に抱えられるようにして家に帰って母が心配するのもかまわずに自分の部屋へ駆け込んで、それから一週間、ひたすら泣き続けた。
涙って枯れないんだな、なんて思いながら泣いていたことをぼんやり覚えている。
その間、天真や詩紋が心配して訪ねてきてくれたこともぼんやりと覚えているけれど、何を話したのかまでは覚えていない。
ただ一番大切なものを失った絶望にひたすら泣き続けた、そんな一週間だった。
そして一週間後、昨日の夜のことだ。
出会ったばかりの頃の身を切られるような鋭い眼差し。
その後「神子殿」と呼んでくれるようになった低い声。
戦いの中、自分が怯んだ時に見せてくれた、凛とした端正な顔。
そしてすっかり共にいることが当たり前になった頃のうっすらと浮かべられた穏やかな笑顔。
涙を流し続けるあかねの脳裏には思い出ばかりが甦る。
そして思い出をたどるたびにまた涙が流れて止められない。
あかねは夜になっても明かりもつけず、食事も満足にとらず、もちろん寝ることもなく、自分の部屋で膝を抱えて泣いていた。
怨霊と戦い続けた京での毎日。
恐い思いもたくさんしたけれど、いつでも側に実直でひたむきな青年がいてそして自分を守ってくれた。
「頼久さん」と呼ぶと少しだけ口元に微笑を浮かべて振り向いてくれた。
あまりにも暗い夜が恐くてそっと外をのぞいてみると、そこには必ず長身で広い背中の持ち主が立っていた。
頼久さん、心の中で何度もその名前を呼んでみる。
京ではどんな時でも呼んだだけですぐに助けに駆けつけてくれた人。
ひたすら京にいた頃の頼久との思い出ばかりに全てが占められて、だから玄関のチャイムが鳴ったことにも、母がなにやら困ったように会話しているのにもあかねは気付かなかった。
『あかね、あなたにどうしても会いたいっていう人が来てるんだけど…。』
「……。」
ドアの向こうから聞こえてきた母の言葉をあかねは朦朧とした意識の下で聞き流した。
今の自分にどうしても会いたいといってくる人間に心当たりがなかった。
天真や詩紋なら母がなんの断りもなく家に入れるはずだし、他の人間なら母に断られれば帰っていくはずだ。
いや、そんなことはどうでもいい、今は誰にも会いたくない。
会いたいただ一人の人は思い出の中にしかいない。
だから、ただ思い出の中にだけ漂っていたい。
あかねは何も言わず、ただぼーっとドアの向こうから聞こえる母の声を聞き流していた。
『あのね、あかね、お断りしたのよ、でもね、どうしても会いたいっておっしゃるの…なんだか同じクラスのお友達っていう感じじゃないし…聞いてる?』
「……。」
『まぁ、袴なんか着ていて変わった方だし…お帰り頂くわよ?』
「袴?」
予想だにしない突拍子もない単語に思わずあかねは反応していた。
袴、和装の一種であるその単語を耳にしただけで京で刀を提げていた頼久の姿があかねの脳裏をかすめる。
一方、久々に娘の声が聞けたのが嬉しかったのか、母の声が心なしか弾む。
『そうなの、弓道とかやってらっしゃる方なのかしらね。あぁ、名前を言えばあなたにはわかるっておっしゃって玄関でまだ待ってらっしゃるのよ。源頼久さん、あなた知ってる人?』
一瞬息を呑んだあかねは次の瞬間、勢いよく立ち上がっていた。
バンッ
何を考えることもなく、あかねの体は勝手に動き出していた。
勢いよくドアをあけ、驚く母の横を駆け抜けて階段を転がるように駆け下りる。
源頼久、知らないわけがない。
会いたい。
ただひたすら会いたいと望み続けた人の名だ。
嘘でも幻でも夢でもなんでもいい、会えるならなんだってかまわない。
階段の最後の数段を飛び降りて振り返ったその視線の先には、源頼久、その人が微笑を浮かべて立っていた。
「頼久、さん?」
「はい、参上が遅れまして、申し訳ありません。」
白い着物に下は濃紺の袴を身につけ、髪は見事に結い上げられているその姿はどこからどう見ても間違いなくあの頼久だ。
「本当に、頼久、さん、なの?」
「はい。」
「夢じゃ、ない?」
「はい、夢ではございません。事情がありまして、参上が遅れました。神子殿にはご心配をおかけしました。申し訳ありません。」
謝罪の言葉とは裏腹に暖かな笑みを浮かべ続けている頼久に駆け寄るとあかねはその胸に飛びついた。
「もう、会えないと、思って…。」
それ以上は言葉にならなかった。
あかねはただ飛びついた頼久の胸にしがみついて声をあげて泣いた。
京で何度も死の恐怖から救ってくれた広い胸だ、忘れるはずもない。
そして、そっと背を抱いてくれる腕のぬくもりは本物で、夢か幻かという怯えが消えていく。
「この頼久、こうしてこれより先も神子殿のお側に。」
頭上から降る甘い声が胸にしみて、あかねは更に泣きじゃくった。
ただひたすら会えたことが嬉しくて、抱きついた手を放したらまた消えてしまいそうで恐ろしくて、だからひたすらしがみついたまま泣き続けた。
そんなあかねを頼久は優しくかき抱いたまま背を撫で続ける。
その手の感触も暖かくて幸せで、だからあかねは自分の背後で声をあげそうなほど驚いている母にも、そんな母に「大丈夫です」というように綺麗に会釈を見せた頼久にも気付かなかった。
気付かずに泣き続けて、ただひたすらその存在を確かめるようにしがみついたまま泣いて泣いて、頼久のぬくもりが心地良くて、いつの間にか眠ってしまって…
京にいた頃のように頼久の腕に抱きかかえられてふわふわと気持ちよかった、それが翌日目覚める前の最後の記憶だった。
朝、あかねは目が覚めると自分のベッドの上で、昨日の頼久はやはり夢だったのかと泣きそうになった時、枕元に手紙が置いてあることに気付いた。
『よくお休みのようでしたので今日のところは帰宅致します。私の現在の住まいの住所と電話番号を書いておきます。何かありましたら下記までご連絡下さい。』
手紙にはそれだけがきっちりした生真面目な頼久らしい楷書体で書いてあって、あかねは何度もその文章を読み返し…
今、こうして頼久の置いていった住所に向かって歩いているというわけだ。
携帯には電話番号も登録してあるから迷ったら電話をかけてみよう。
とにかくもう一度その姿を見ないことにはやはり夢だったのではないかと不安でしかたがなくて、あかねはその歩みを速めた。
手紙に書かれていた住所はあかねの家から歩いて十五分ほどのところで、あまりの近さに驚いた。
通学路でもないし、よく行くお店や駅の方でもないから確かに行ったことのない場所ではあるけれど、一生会えないと思っていた人がこんな近くにいるとは思ってもみなかった。
閑静な住宅街を歩き続けてたどり着いたそこには…源頼久という表札がかかった門があって、その向こうには庭付きのなにやら立派な和風の一軒家が建っていた。
「ここ、だよね、表札あるし…。」
想像していなかった一軒家の出現に戸惑いながらも、和風の庭と縁側なんかついてるその建物の風情があまりにも頼久に似合っていて、あかねはくすっと微笑んだ。
思い切って歩みを進めたあかねは玄関の前に立って軽く深呼吸した。
ドアチャイムを鳴らそうと伸ばした指が震える。
もしドアの向こうから出てきた人が同じ名前の全く違う人だったら…
そんな想いにさいなまれて手が止まる。
あかねがもう一度深呼吸をしようと深く息を吸い込んだその時、扉がすっと開いて向こうから穏やかな笑みを浮かべた男性が現れた。
「神子殿、お電話頂ければお迎えに上がりましたものを。」
「より、ひさ、さん?」
「はい。」
あかねは目を大きく見開いたまましばらく身動きができなかった。
声は確かに頼久のあの低い落ち着いたあかねの大好きな声だったが、その外見が昨日とはあまりにも違っていた。
髪は結わえられていなくて風に乗ってひらひらと綺麗になびいていて、着ているものはシャツとズボンで、シャツの袖のボタンがとめられていないラフな格好がなんだかとても見慣れない。
「えっと、あの…。」
「あぁ、やはりこの姿がお見苦しかったですか。お望みでしたら昨日の装いに着替えますが?」
「あっと、いえ、そういうことじゃなくて…本当に頼久さん、ですよね?」
「はい。」
「昨日はでもあの…。」
「あぁ、昨日は天真がこの格好では神子殿を驚かせるだろうし、動揺していらっしゃる神子殿にはわからぬかもしれぬとあちらの世界のものに近い衣装を用意してくれたのです。」
「天真君が?」
「はい、あ、詳しい話は中で致しましょう。どうぞ、むさくるしいところですがお入り下さい。」
「あ、はい…お邪魔します…。」
何がなんだかわからぬまま、それでも愛しい人にいざなわれてあかねは家の中へと足を踏み入れた。
中はあまり物がなくてシンプルだ。
必要最低限の物しか置かれていない殺風景さは京の頼久の住まいとあまり変わらなくて落ち着いた。
「お好きなところへどうぞ、今、茶をいれてまいります。」
「いえ、お茶なんてそんな、私が…。」
「今日は神子殿はお客様です、どうぞおくつろぎ下さい。」
今日は?と少し気にかかりながらも、さっさとキッチンへ消えてしまう頼久を追うこともできず、あかねはちょこんとソファに座った。
大きな窓の向こうは縁側になっていて日当たりもいい。
リビングを見渡すと大きなテレビとソファにテーブル、あとは大きな本棚があるくらいでやはりよけいなものは何一つない。
「お待たせしました。」
そう言ってあかねの前に湯飲みを置いた頼久はいつの間にか昨日と同じように髪を結い上げてあって、あかねは見慣れた頼久の姿にほっと安堵のため息をついた。
「やはりこの方がよろしいですか?」
そんなあかねに気付いたのか頼久はあかねの斜め前のソファに座りながら微笑んで見せた。
「いえ、あの、えっと…わざわざ結んでくれたんですか?」
「厨に立つ時はこの方が邪魔になりませんので。」
「はぁ…。」
「ここまでは迷いませんでしたか?」
「あ、はい、大丈夫でした。住所わかりやすかったし、一軒家ばかりだから……そうだ、さっき頼久さんチャイム鳴らしてないのに出てきましたよね?私が来ること知ってたんですか?」
「いえ、これでも武士ですので、気配が。」
「あぁ…。」
会話が続かない。
あかねは湯飲みの茶を一口飲みながら次の言葉が出てこない自分に驚いていた。
会いたかった、会ったら話がしたかった、言いたいことはたくさんあったはずなのに、こうしてその人を目の前にすると何一つ言葉が出てこない。
ただ好きでしかたがなくて、もう一度会えたら二度と離れないと言いたかったはずなのに。
ただ同じ場所にいることがひたすら嬉しい、それだけは伝えたいのに。
「参上が遅れましたこと、幾重にもお詫び致します。」
いきなりそう言った頼久は今にも土下座せんばかりに深々と頭を垂れた。
その声は本当につらそうで、京での戦いの日々を思い起こさせるような声で、あかねは慌てた。
「そ、そんな、事情があったって言ってたじゃないですか!私はこうしてもう一度会えただけで十分ですから!そんな、謝らないで下さい!」
慌てるあかねに顔を上げて微笑んで見せる頼久はどこか余裕で、あかねはそんな頼久に見惚れてしまった。
「神子殿のお心の広さにはいつも救われてばかりです。」
「いえ、えっとあの…そうだ、さっき天真君がって言ってましたよね?」
「はい。昨日、朝から神子殿を捜さねばと手がかりを求めてあてもなく歩いておりましたところ、京にいらっしゃったばかりの頃の神子殿と同じ服装の者を見つけまして、つけていったところで天真を見つけました。声をかけたのですが、しばらくは私であると信じてはもらえませんでした。結局は…。」
「結局は?」
「殴り合いになりまして…。」
「は?」
今までの不安や疑いなど一瞬のうちにして吹き飛ぶほどの話の飛び方にあかねはきょとんと苦笑する頼久を見つめた。
「おかげで私であるとわかってもらえたのですが。」
「どうしてそこでわかってもらえるんですか?」
「私と天真は京でも互いの腕を磨くために何度となくやり合っておりますから。」
「あぁ…。」
「私だとようやくわかってもらえた後の天真の最初の一言が『なんてかっこうしてるんだ』でした。私としては京でのいでたちのままでいるよりはよほど普通の装いをしていると思っていたのですが、京での私しか知らぬ天真からしてみればおかしなかっこうをしているように思えたのでしょう。私はすぐにも神子殿に会いたいから居場所を教えてほしいと迫ったのですが、天真がこの姿では今の神子殿にはお分かり頂けぬであろうから着替えろと言ってくれまして。」
確かにそうかもしれない。
あかねは心の中でつぶやいた。
思い出に溺れて泣き続けて、訪ねてくれた天真や詩紋の言葉さえ耳に入らなかったのに、いやそれだけじゃない、二人が訪ねてきてくれたことさえまるで夢の中のできごとのようにしか感じていなかったのに、こんなこっちの世界のかっこうをした頼久が現れてにわかに本物だなんて信じられたかどうか。
「神子殿が毎日、食事も睡眠もとらず泣き続けておいでだと聞かされましたので気は逸りましたが、わかって頂けないのでは意味がないと天真に説得されまして、昨日の衣装を用意するのに時間を要しましたので参上が更に遅れてしまいました。」
「食事はあまりとってませんけど…たぶん睡眠は…ちょっとだけ…たぶんとってました…。」
今更だが目の前に座っている人を恋しがって泣きくれていたことが恥ずかしくて、あかねはとっさにそんな言い訳をした。
そんな姿も愛しくて頼久の顔には微笑が浮かぶ。
「お休みにはなっていらっしゃらなかったでしょう。少なくとも十分にはお休みになっていなかったからこそ、昨日あのように泣きながらお休みになってしまわれた。お食事もとってらっしゃらなかったようですね、お抱きしたお体が少々軽くなっているように思われましたので。」
「……だって…もう二度と会えないんだって思ったから…。」
「申し訳ありません、すぐにお目にかかることができればよかったのですが、さきほどの天真に勧められた件以外にも色々と問題がありまして…。」
恥ずかしさでいっぱいで真っ赤になってうつむいていたあかねは急に頼久の声が曇った気がしてはっと顔を上げた。
さっきまで優しく微笑んでいた頼久は案の定、眉間にシワを寄せてうつむいている。
「実は私がこちらへやってきた時、この身は既にこの家にあり、記憶が二つあったのです。」
「記憶が二つ?」
「はい。こちらの世界で生きてきた私の記憶と京で生きてきた武士である私の記憶、二つの記憶がこの身に混在しておりまして、少々混乱致しました。この状態を受け入れるのに時間がかかってしまいまして、現状も把握しなくては身動きがとれませんでしたし、おかげで二日を頭を抱えて暮らしてしまいました。三日たってようやく己がどのような状況にあるのかがわかりまして、ともかくも神子殿にお会いしなくてはとひたすらあせって外を歩き回り、天真に出会ったのです。」
「二つの記憶って…頼久さんってこっちの世界でも25年生きてたことになってるんですか?」
「そのようです。」
そう言って穏やかに微笑む頼久。
あかねは目を丸くして驚いた。
自分の中に記憶が二つ、そんなありえない状況をたった二日でこの不器用な元武士が受け入れたのがもう信じられない。
「たった二日でそれみんな馴染んじゃったんですか?」
信じられないという思いが思わずあかねの口をついて出た。
だが、そんなあかねに頼久は笑顔を崩さない。
「はい。何しろ、私は一生お側でお守りすると誓った方を捜さねばなりませんでしたから。自分がどのような状況にあって、今の自分に何ができるのかを知らねば神子殿をお守りするなど到底叶わぬことです。二日もかかってしまったことを不甲斐無いとさえ思っております。」
「そんなことないです!凄いです、頼久さん。私なんて頼久さんがそんなことになってるなんて考えもしないで、自分のことばっかりで…ただ頼久さんに会えないことが悲しくて悲しくて、泣いてばっかりで…私も信じて捜せばよかったんですよね…こんな近くにいたんだから、私がもっと頼久さんは絶対一緒にきてくれたって信じて捜していれば見つかったかもしれないのに…。」
「いえ、それはなかったかと。こちらの世界の私はどうやらあまり家から外に出ない生活をしていたようですので。」
あかねが小首をかしげて頼久を見つめた。
毎朝鍛錬を欠かさなかった京の頼久からは想像もつかない発言だったからだ。
「まぁ、こちらの私がどのような生活をしていたかは追い追いお話し致しますので。まずはこれをお受け取り頂けますか?」
自分の方へと伸ばされた頼久の手からあかねは銀色に光る何かを受け取った。
よく見るとそれは家の鍵のようだ。
「この家の合鍵です。幸い神子殿の家もそう遠くはありませんし、もし神子殿さえよろしければその鍵を使っていつ訪ねてきて頂いてもかまいませんので。」
合鍵。
いつでもここに来て、こうして愛しい人に会い、話をすることができる。
二度と会えないと思っていた人と。
両手で合鍵を握り締め、あかねはいつの間にか涙を流していた。
手の中にある鍵の感覚がこれが夢ではないことを知らせてくれる。
そして何も言えずに泣く自分の隣にその身を移して、優しく肩をを抱いてくれるこの世でたった一人の人のぬくもりもまた現実のもの。
何度も涙を流しながら漂った思い出とは違う、本物のぬくもり。
あかねは隣に寄り添ってくれた頼久の胸に額を当てて両手で合鍵を握り締めたまま声を殺して泣いた。
そして頼久はいつまでもそんなあかねの肩を抱き、愛しそうにその腕を撫で続けた。
季節は春、窓から射し込む春の陽射しがやっと巡り会い直した二人を優しく包み込んでいた。