
夏の陽は落ちていくのがとてもゆっくりしていて、それはあかねにとっても頼久にとっても嬉しい事実だ。
しかも暑くて気が遠くなりそうな昼の空気が陽が落ちることによって少しでも弱まると、風もいくらか心地よくなってくる。
そんな夏の夕暮れは二人にとって絶好のデート時間になった。
頼久はあかねが快適に過ごせるようにとエアコンなども自宅に設置しているが、当のあかねがあまりこのエアコンの多用をよしとしない。
電気がもったいないとか使いすぎは体に悪いとか理由は色々あるらしい。
特にエアコンで体を冷やしすぎることは女性には良くないことらしく、あかねはなるべく暑くても団扇で顔をあおぎながら過ごしていることが多かった。
だから、夏の夕暮れ時から夜にかけてはあかねと頼久にとって過ごしやすい、嬉しい時間になっていた。
「今日も夕焼けが綺麗ですよ。」
縁側に座って空を見上げるあかねの顔が夕陽で赤く染まっている。
頼久はリビングのソファに座ったままあかねのそんなあかねの横顔を微笑を浮かべて見つめていた。
欠片ほどの陰りもない幸せそうなあかねの顔を見るたびに、頼久の胸の内には何とも言いようのない想いが宿った。
あかねという女性が側にいてくれる喜び、そしてそのあかねが自分の側で幸せそうに微笑んでいてくれるという誇り。
ああ、この笑顔を守るためなら、そしてこの笑顔の側にいるためならどんなことでもして見せよう。
頼久は少しばかり離れた場所からあかねの笑顔を見つめるたびにそう心に誓うのだった。
いつもなら、そうして幸せな気分にひたって、それからあかねの隣へと座る場所を移す。
そうするとあかねの肩を抱くという更に幸せな時間が待っているのだが…
今日は頼久が望むようにはならなかった。
何故なら、突然、あかねの笑顔に影が差したからだ。
ついさっきまで幸せそうに微笑みながら夕焼けに染まる空を眺めていたあかねは今、小さく溜め息をついてその視線を地へと落していた。
何がきっかけなのかはわからない。
けれど、何かが引き金になってあかねは思い悩む何かを思い出したのだろう。
そして何を思い悩んでいるのかに頼久は心当たりがあった。
三日ほど前のことだ。
この家に頼久の唯一といっていい友である天真が訪ねてきた。
天真が夜、この家を訪ねるのはそう珍しいことではない。
その片方の手を酒が占拠しているとなればなおさらだ。
だが、三日前のその夜は天真の様子がいつもと少しばかり違っていた。
いつもなら頼久をからかったり、テレビをつけて大笑いをしたり、何かと騒がしい男なのだが、その夜に限って天真は何か考えている様子で無口だった。
何かを考えるだけなら自分の部屋にいればいいのだが、わざわざ自分のもとを訪ねてきたということはきっと何か相談事でも抱えているのだろう。
頼久はそう判断した。
そして口下手な頼久にしては珍しくどうかしたのかと声をかけたのだ。
天真自身の相談事を持ちかけられるのだと思っていた頼久はしかし、予想外の話を聞くことになった。
天真が頼久に気は進まないがという様子で語りだしたのはあかねのことだったのだ。
天真曰く、あかねは悩んでいるらしい。
あかねが悩んでいると切り出された時は正直、頼久の心臓はこれ以上ないほど大きく一つ鼓動した。
やはり自分のように年の離れた男と婚約などしたことに後悔でもしているのだろうか?
天真が話しづらそうにしているのは話の内容がそういったものだからか?
と頼久の脳裏を絶望以上の絶望がよぎったのは一瞬のことだった。
いつもあかねが頼久に見せるこの上なく幸せそうな笑顔が脳裏によぎった絶望をいとも簡単に塗りつぶしたからだ。
自分と交際していることを後悔している女性が、まして、あかねというあれほど正直でまっすぐな女性が自分の前であんな風に微笑むことができるとは思えない。
頼久はすぐに落ち着きを取り戻して、冷静な目で天真を正面から見つめて問いただした。
何故、何をあかねは悩んでいるのか?と。
その問いに数瞬のためらいを見せてから答えた天真の言葉は頼久を大いに驚かせた。
そんなつもりではないと大声で天真に叫びそうになったくらいだ。
もちろん、天真に大声で叫んだところであかねに聞こえるわけもない。
だからこそ、頼久は天真に聞いた話を胸の中に収めて、それから今日まであかねとはいつもと変わらぬ態度で接してきたつもりだった。
あかねの方も、普段はいつもと全く変わらない態度で頼久のそばにいたし、頼久が愛してやまない穏やかな微笑も見せてくれた。
その笑顔がほんの一時翳りを見せることがあることに気付いたのはこれが初めてだった。
頼久はうつむくあかねの横顔を見つめながら天真の言葉を思い出していた。
あかねはたぶん自分からは絶対に話さない。
天真はそう言っていた。
だから、天真は自分が口を出すことではないとわかっていて頼久に忠告をした。
頼久はその忠告に、天真という真の友を持っていることへの感謝を深くしたのだ。
紅に染まるあかねの憂いを帯びた横顔も神々しいほどに美しく見えて、頼久の目を奪うには十分な魅力を備えていたが、今回ばかりは頼久も美しい恋人の横顔をただ見つめていることはできなかった。
そっと立ち上がり、ゆっくり歩みを進めてあかねの隣に静かに腰を下ろすと、はっとしたようにあかねが視線を上げて、すぐに頼久の方へと微笑を向けた。
「昨日も綺麗な夕焼けでしたけど、今日も凄く綺麗ですよ。夏の夕焼けっていいですよね、なんか、ゆったりしてて。寒くないからかなぁ。」
慌ててつくろったようにそう言ってあかねは視線を空へと戻した。
こうして二人でいる間はもう少し甘えてほしいし、無理な気遣いはしないでもらいたいというのは頼久の本音だ。
そんなふうに思う一方で、あかねにそうさせてしまっているのが自分だという自覚も三日前から持っている。
天真が言うには頼久のこれまでの態度や言葉があかねの悩みの種なのだ。
「神子殿。」
「はい?」
「何か悩みがおありですか?」
なるべくきつい口調にならないように、責めているわけでも問いただしたいわけでもないということが伝わるように、頼久はでき得る限り穏やかで優しい声を出すことに全神経を集中させた。
今まであかねが一人で悩み続けてきた理由が自分にあるとするなら、ここであかねを追いつめるような言葉のかけ方だけは絶対にしてはいけないと思ったからだ。
あかねはそんな頼久の意図するところが伝わったのか、一瞬驚いた様子だったものの、驚くでも怯えるでも慌てるでもなく、すぐに困ったような苦笑を浮かべた。
「せっかくの頼久さんのお休みで、こんなに天気が良くて、夕焼けが綺麗で、二人でいられる時間なのにすみません…。」
「いえ、謝って頂きたいわけでは…。」
「やっぱり頼久さんには全然かないませんね。なんでもお見通し。」
それは違う。
と、頼久は心の中でつぶやいていた。
今回、あかねが悩んでいたことに気付けたのは全面的に天真のおかげだ。
そう思えばどうしても頼久はその事実をあかねに伝えなくてはいけない気がして、眉間にシワを寄せた不機嫌そうな顔で口を開かずにはいられなかった。
「いえ、天真が…。」
「えっ!天真君が何か言ったんですか?」
「はぁ…。」
「それじゃあ、私が今一番困っていることももしかして…。」
「はい、天真より聞きました。」
「……。」
「その、それにつきましては天真を責めないでやってください。私がこのような朴念仁故に天真が気をきかせてくれたのです。」
「頼久さんは別に朴念仁じゃないと思いますけど………わかりました。天真君には何も言いません。」
「有り難うございます。」
とりあえず自分のことを思ってくれた友には被害が及ばずに済みそうで、頼久はほっと安堵のため息をついた。
せっかくの天真の心遣いのせいで天真があかねのお説教を頂くようでは頼久はもうどう天真に償っていいかわからない。
そんなことを考えているうちにあかねはふっと深いため息をついた。
天真が先日、頼久に話した通り、あかねの悩みはとても深い様子だ。
これはなんとかあかねが話しやすいように優しく問いかけなくてはと頼久が意思通りには動いてくれない舌を何とか動かそうとしたその時、あかねが口を開いた。
「天真君が話したなら頼久さんはみんなわかってるかもしれませんけど、私、就職がなかなか決まらなくて…。」
「はい。」
それは確かに天真から聞いていた。
この御時勢、大学生の就職活動は熾烈を極めているらしく、あかねもその例にもれず、いまだ就職先のめどが全く立たない状態だという。
その事実自体はあかねからなんとなく聞いてもいたのだが、何十という会社から断りの連絡しか来ない状況だということは天真に聞いて初めて知った。
そして、その断りの連絡を受けるたびにあかねがひどく傷ついて落ち込んでいるらしいことも。
「その……わかってはいるんです。これってみんな状況は一緒で、同じように苦労しているんだって。それで、会社の方でもそんなにたくさんの人を採用することはできなくて、たくさんの人が断られてるんだって。でも……。」
そこで言葉を切ってあかねは唇を噛んだ。
ここから先がおそらく、天真も知らないあかねの真の悩みで、そして頼久に最も話しにくい部分なのだろう。
あかねは軽く唇を噛んだまま、しばらく黙りこんでしまった。
頼久は痛々しい様子のあかねを前に苦悩していた。
ここで苦手なりにも言葉をかけてあかねが話しやすくするべきだろうか?
それともあかねの心の整理がつくまで黙って待っているべきなのだろうか?
女性に悩みを持ちかけられた経験などそうはない頼久には簡単に答えの出せる問題ではなかった。
そもそも言葉が得意ではない頼久が下手に言葉をかければあかねがなお話しにくくなるような気がする。
だが、ここで何も言わないのもあまりにも心遣いに欠ける気もするのだ。
そう思った次の瞬間には、黙って穏やかにあかねの言葉を待つことこそが思いやりだという気もしてくる。
頼久が相談している当のあかねよりも深く考え込んでいるうちに、あかねがほろっとその口から言葉をこぼした。
「お前なんか必要ないんだって言われてる気がしてくるんです。」
「は?」
考え込むあまり、頼久は一瞬、あかねが何を言ったのか理解できなかった。
言葉は確かに耳に入っていても、脳が意味を理解できなかったのだ。
そんな頼久に泣きそうな苦笑を浮かべながら、あかねは再び口を開いた。
「面接を受けたところから不採用通知が来ると、お前はダメな人間だ、必要ないんだって言われてる気がして落ち込んじゃって…その…こんなふうに就職もできない私じゃ頼久さんもいらないって思うんじゃないかとか考えてしまって…。」
ああ、これだ、天真が言っていたのはこのことだと頼久は気付いてため息をついた。
そう、三日前の夜、天真が頼久に話したことはまさにこのことだった。
どうやらあかねは就職ができないからということとは関係なく、早く頼久のお嫁さんになりたいと思っているのにそれを頼久に伝えることには不都合を感じているらしい。
それが天真の話した内容だった。
頼久が今あかねから直接聞いた話からすると、要はこうだ、あかねは就職したい先からさえ必要とされないような自分が逃げるみたいに頼久の所に嫁に来ても頼久だっていらないと思うのではないか?と考えて不安になっている、と。
話を理解した刹那、頼久は予想していなかった怒りが腹の底から湧きあがってくるのを感じた。
こんなに激しい怒りは京で敵を前にした時にも感じたことがない。
何に対して怒っているのかといえば、もちろんそれはあかねに対してではない。
あかねを不必要だなどと思わせてしまった全てに対してた。
あかねに不採用通知を出した就職先も、そしてあかねに一人で悩ませてしまった自分も怒りの対象だった。
就職先はあかねの言う通り、頼久に怒りを向けられるいわれはないのかもしれないが、そんな理屈など吹き飛ぶほどに頼久は怒っていた。
京を、そして自分を全身全霊をもって救ってくれた女神に対して不必要とは何たる言いようか!
あかねという女性がどれほど素晴らしい存在かは頼久が一番よく知っている。
こんなふうに自分に価値がないと落ち込む必要など欠片ほどもない女神、それがあかねなのだ。
と、心の中でいくら思っていても目の前のあかねの表情が変わるわけもなく、頼久はただひたすら自分の怒りが少しでもおさまるのを待った。
そうしなくては怒りに駆られてあかねに不要な不安を与えるような物言いをしそうだったからだ。
少しは冷静さを取り戻してから伝えるべきことを伝えよう。
そうは思っていても、一度湧き上がった怒りはなかなか静まってはくれない。
敵を前にして剣を構えていれば冷静にもなれるのだが、あかねのこととなればそれでなくても我を忘れがちな頼久だ、敵が見えず、刃の届かぬ相手とあっては感情を制御するのは難しかった。
「なんていうか…せっかく婚約もしてもらったのに、こんな私じゃ頼久さんはあてが外れちゃうんじゃないかって言うか……お嫁さんにしてもらうのは申し訳ないっていうか……すみません、せっかくのお休みにこんな話、気分悪いですよね。」
目の前でどんどんうなだれるあかね。
そして声はまるで泣き出しそうなほどに震えていて…
頼久は怒りと不甲斐なさと心配と、あらゆる感情が自分の中で渦巻くのを感じて、そして目の前の恋人の小さな姿を見つめてその全ての感情を一気に押し殺すことに成功した。
今ここで自分がしなくてはならないのは感情に流されて激怒することでも、必死なってあかねは不必要な人間ではないと否定してやることでもない。
いくら朴念仁の自分にでも今言わなくてはならない言葉がなんなのかはわかる。
頼久は心の中で一つ深くうなずいて、そっとあかねの肩を抱きながらその小さな耳元へと唇を寄せた。
「あかね。」
「はいっ!」
そっと名を囁けば、飛び上がらんばかりに驚いたあかねの見開いた愛らしい目がまっすぐ頼久へと向けられる。
その視線をしっかり受け止めて、頼久は思っていることをゆっくりと言葉にした。
「私が以前、神子殿に就職を考えてみてはと申し上げたのは、私がいるせいで神子殿の将来を縛りたくはなかったからです。」
「はい…。」
「これを言うと神子殿の負担になると思って黙っておりましたが、今日は私の本心を言わせて頂きます。」
「本心、ですか?」
さっきまで落ち込んでいたあかねの顔は今、好奇心でいっぱいだった。
頼久がこうして宣言までして本心をあかねに明かすことは珍しい。
そもそもそういうことを言葉にすること自体が苦手な人なのだ。
だから、あかねは一言も聞き漏らすまいと、じっと頼久を見つめたまま耳を澄ませてその言葉を待った。
「神子殿に自由に職業を選び、自由に人生を謳歌して頂きたいと思っている、それも私の本心の一つではあります。」
「はい。」
それはあかねも良くわかっている。
頼久はいつだって自分の事よりも先にあかねの事を考える人だ。
自分のためにあかねが歩むべきだった人生を捨てるようなことは決して望まない。
あかねもそれがわかっていればこそ、就職しなくてはと必死になっていたのだ。
「ですが、本当のことを申し上げれば、私は今すぐにでも神子殿にここへ越して頂いて籍を入れ、私の妻として生活して頂きたいと思っております。」
「へ…。」
「幸い、私の仕事はこの家から一歩も外へ出なくても成立するものですし、神子殿が専業主婦になって下されば、四六時中共にいられるわけです。神子殿に幸せになって頂きたいという気持ちに嘘はありませんが、私の希望としては今すぐ妻としてこの家に越して頂き、四六時中、片時も離れることなく共に過ごして頂きたいのです。」
「……。」
あかねはあまりの告白にきょとんとしたまま凍り付いてしまった。
もちろん、既に婚約者という立場のあかねはいつかは結婚すると思ってはいたのだけれど、こんなふうに情熱的に望まれているとは思ってもみなかったのだ。
驚きのせいで今までの悩みが吹き飛んだ様子のあかねを見つめて、頼久は苦笑を浮かべた。
「やはり神子殿は何か勘違いをなさっておいでだったのですね。」
「勘違い…。」
「私はどうしても就職しなさいと言ったわけではありません。神子殿がお望みならと申し上げたはずです。言葉とは裏腹に就職したいなどとは望まないでほしいと願っておりました。」
「それは、私が仕事なんかしないで、大学を卒業したらすぐにでも結婚したいと思ってるってことですか?」
「いいえ、大学を卒業していなくても今すぐ結婚したいと思っているということです。」
あかねはパッとその表情を輝かせるとこれまでにないほど嬉しそうに微笑んだ。
輝きを放つあかねの微笑を見るのは久々な気がして、頼久はほっと安堵のため息をついた。
やはり最近のあかねの笑顔は、あかねの持つ本来の笑顔ではなかったと今更のように気付いていた。
「えっと…その……すごく嬉しいです。確かに学生結婚っていう方法もあるんですよね。成人はしてるわけだし…でもその……大学は…。」
「はい、望んではおりますが、神子殿がお望みではないのに無理にと望んでいるわけではありません。ですから……。」
必死に答えようとして戸惑っているあかねの両肩に手を置いて、その体を自分の正面へと向けさせると、頼久は正面からあかねをじっと見つめた。
見開かれる愛らしい瞳を覗き込むように見つめて、一呼吸おいて、今度こそ絶対に勘違いなどされないように、全神経を言葉に集中させて口を開いた。
「あかね、大学を卒業したらすぐに私と結婚してくださいますか?」
「は、はいっ!」
間髪入れぬ即答に頼久が微笑を浮かべながら安堵のため息をつくと、とたんにあかねの目から涙がこぼれた。
「あれ、ごめんなさい、嬉しいのに、あれ……なんだか、安心したら……。」
慌てて涙をぬぐうあかねを頼久はそっと抱き寄せた。
きっとこれまで自分の価値の全てを否定されたような気がして不安だったのだろう。
そんな自分は婚約者にも愛想を尽かされるかもしれないとまで思っていたのかもしれない。
頼久に言わせればそんなことはこの世が終わってもあり得ないのだが、あかねはそう思いつめていたに違いない。
そうわかっても頼久にできるのはこうして抱きしめてやることだけだ。
慰めの言葉はいくらもあるのかもしれないが、それを弄するほど頼久は言葉が得手ではない。
それに、自分を救い、こうして共にいることを許してくれた人だからこそ、抱きしめているだけできっと自分の想いは伝わると今の頼久は信じることができた。
「現金ですね、私、さっきまで凄く悲しい気持ちでいたのに、頼久さんに優しくしてもらったとたんにもうすっかり幸せ気分です。」
腕の中から聞こえてくるあかねの声は確かにとても明るくて幸せそうで、頼久の口元にも笑みが浮かんだ。
自分が側にいて努力することで大切な人が幸せだと言ってくれる、これほどの幸せは他にない。
そう実感しながら頼久は顔を上げてにっこり微笑んで見せるあかねにそっと口づけた。
そんな二人の寄り添う様子を夏の夕暮れの紅に染まった光が優しく包み込んでいた。
季節は夏真っ盛り。
この後、頼久はあかねを自宅へと送り届け、その帰り道、綺麗に輝く夏の夜空を見上げながら、結婚は来年の6月ということになるだろうか?
などとぼんやり考え始めた。
管理人のひとりごと
いや、その…夏なので……夏の縁側をイメージして…と思っただけなんですが…
なんか話が進展してる(’’)
縁側のいちゃいちゃぶりをね、ワンシーンやろうと思っただけだったんですけどね…
暑さだな、暑さがいけないと思う(’’)
もっと夏っぽい話になるはずだったのに…
なんか深刻な話ししてましたね、すみません(ノД`)
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