
風早は何度目かわからない溜め息をついた。
目の前には柊と忍人が座っている。
「いつもヘラヘラと笑っている風早が溜め息とは天変地異か?」
「ははは、厳しいですね。」
嫌味を言う忍人への反論も力なく、風早は一瞬苦笑しただけでまたはぁっと溜め息をついた。
「何かありましたか?風早がそんなに悩むということは我が君の御身に何か?」
「いえ、千尋は元気です。元気すぎるくらい元気ですよ。政務も滞りないですし。」
と、言われてしまえば目の前の二人には何がなんだかわからない。
過保護すぎるほど自分の主を想う風早だから、きっと物思いの種はその主のことだろうと二人とも予想していたのだが…
柊と忍人が顔を見合わせている間にも風早の溜め息はかさむ。
「そんなに溜め息ばかりつかれては鬱陶しい、何があったか話してみろ。」
「それが……。」
「微力ながら力にならないこともないですよ?」
いつもは冷たい忍人も基本的に主のこと以外はどうでもいい柊も珍しく親身になってくれているので、風早はやっと視線を上げて口を開いた。
「実は、最近、千尋が俺の使ったものを嫌がるんです。」
『は?』
この男は何を言い出すのかと思わず忍人と柊の声が重なる。
「昨日も、すぐお茶が飲みたいと言い出したので俺が飲もうとしていたのをそのまま渡したんですが、俺が使っている器から飲むのは嫌だって言い出して…。」
「王の器にいれてやればいいではないか。」
「それはそうなんですが、昔は俺の使ったコップでもそのままジュースを飲んでくれたし、俺の箸でごはんのおかずを分けてあげたことだってあるんです…それが…はぁ…。」
思いっきり落ち込む風早。
そして再び顔を見合わせる忍人と柊。
それはただの親離れではないだろうか?
「それは喜ばしいことだと思いますが…。」
「王も年頃ということだろう。」
「よ、喜ばしいなんて…俺は悲しいんです…。」
そう言ってまたはぁっと溜め息をついて風早は落ち込むばかりだ。
「それって、お父さんと同じ食器なんか使いたくないっていう女子高生だよね。」
急に現れてぼそりとそういったのは那岐だ。
風早がはっと振り返って那岐に涙目を見せる。
「やっぱりそうですか?」
「間違いないね。」
そうとだけ言って去っていく那岐を見送って、風早はまた溜め息をついた。
「これは重症だな。」
「我が君が立派になられただけというのに、従者がこれでは…。」
溜め息をつき続ける風早に、二人の友はつられるように溜め息をつくのだった。
管理人のひとりごと
どうしてもお父さん風早で一度ギャグをやりたかったんです(爆)
ちなみに管理人は女子高生時代もこんなことは全くなく(笑)
間接キスを気にすることもなく、部活で平気で回し飲みとかしてました(爆)
修羅場だったんです、管理人がいたマン研兼文芸部は…
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