布都彦の隣にはすやすやと眠る千尋の姿があった。
初秋の暖かい陽射しに誘われて散歩がしたいという千尋のお供を布都彦がつとめていたのだけれど…
少し休憩と言って座った木陰で千尋は眠りに落ちてしまったのだった。
いつの間にか千尋はすっかり布都彦に寄りかかって眠っていて、とても心地良さそうで…
辺りに人の気配がないことを確かめてから、布都彦は微笑を浮かべた。
以前は千尋と二人きりで並んでいるだけで思わず全身に力が入ったものだった。
けれど、今はこうして二人きり、誰の目も気にしないですむ場所であれば二人きりの貴重な時間を楽しむことができるようになっていた。
そうなることが千尋の望みであもあるから、布都彦は思い切って自分の手を持ち上げた。
きっと優しい恋人はこの行為を笑顔で受け入れてくれる。
そう信じて布都彦は持ち上げた手でそっと千尋の肩を抱いた。
「布都彦?」
布都彦が肩を抱き寄せると、千尋はゆっくり目を開けていつもより近くにある恋人の顔を見つめた。
「起こしてしまったでしょうか?」
「ううん、いいの。」
そう答えた千尋は幸せそうに微笑むとすぐにまた目を閉じた。
それが嬉しくて布都彦が笑みを浮かべていると、思いがけず目を閉じたままの千尋が口を開いた。
「でも、次に目を覚ます時は王子様からのキスで、がいいなぁ。」
「は?」
耳慣れない言葉に布都彦が千尋の顔を覗き込む。
千尋は少し頬を赤らめてはいるものの目は閉じたままだ。
「王子様っていうのは布都彦のことで、キスっていうのは口づけのことね。」
「はぁ、そうでしたか……………………は?」
説明された言葉の意味にうなずきかけて、布都彦は一気に顔を赤くした。
そして幸せそうに微笑んで目を閉じたままの千尋の顔を覗き込む。
そこにあったのは見つめる者まで幸せにしてしまう笑顔。
この笑顔のためにもきっと自分は恋人の望みをかなえるべきだ。
布都彦はそう胸の内で一人かたく決意すると、今度は深く考え始めた。
いつ頃、どんなふうにかなえるべきだろうか?
愛しい人を幸福にするために自分は何をどうすべきか?
暖かい陽射しの下、布都彦は生真面目に考え続けるのだった。
管理人のひとりごと
やっとうちとけてきた布都彦、みたいな?(マテ
ここはどうしてもリードするのは千尋ちゃんだろうなぁと思ってしまいます。
ゲーム本編を考えると布都彦もけっこうやる時はやる気はしないこともないんですが…
そのうち押しまくる布都彦もちょっと書いてみたい気がします(’’)
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