
「姫さん、空、飛ばねーか?」
船の甲板で千尋はいきなりサザキに声をかけられた。
いきなり何事かと振り返ってみれば何故かサザキは真っ赤な顔をして明後日の方を見ている。
「サザキ?」
「き、今日は天気がいいしよ、空の散歩にはもってこいだぜ。」
千尋とは視線を合わせないままサザキはそう言葉を続けた。
小首を傾げながら千尋が辺りを見回してみれば、物陰から日向の男達がにやつきながらこちらを見ているのを見つけた。
どうやら物好きな仲間達にサザキは愛しい人を誘うところをしっかりのぞかれているらしい。
「それって、デートのお誘い、かな?」
「でーと?」
「好きな人と出かけることを前にいた世界ではそう呼んでたの。」
「すっ…そ……。」
「違った?」
「ちがわねぇ!」
千尋が追い打ちをかけてみれば、サザキが慌てて叫んだ。
ついでとばかりに勢いでのばされたサザキの両腕は千尋の体を簡単に抱き上げて、あっという間に空へと舞い上がった。
千尋が下を見てみれば、覗いていた日向の男達が目を丸くして自分達を見上げていた。
その顔がおかしくて千尋がクスクスと笑っていると、サザキがそんな千尋の顔を覗き込んだ。
「姫さん?」
「なんでもないの。船の上だと絶対誰かいるなって思ってただけ。」
「まぁたあいつら覗いてやがったのか。」
「だから誘ってくれた?空の散歩。」
「そ、それは、まぁ……。」
つまりは千尋と二人きりになりたかったということで、それは千尋にとっては嬉しい一言だった。
「有り難う。」
サザキの首に腕を回してそう囁けば、あっという間にサザキは首まで赤くなって、うんと高度を上げた。
千尋がずいぶん船が小さく見えるなと思った頃、サザキは急に上昇をやめて千尋の唇を奪った。
一瞬で突然の出来事に千尋が目を丸くしていると、サザキは何も言わずに今度は高度を下げ始めた。
どうしたのかと聞こうとして、サザキの今にも火を噴きそうな赤い顔が見えて、千尋は黙ってその首に抱きついた。
空を飛ぼうと言い出したのはこんなふうに甘い時間が一瞬でも欲しかったから。
そう思ってくれただけで今の千尋には十分だった。
管理人のひとりごと
久々にサザキの設定を眺めてみた。
31歳だったことを思い出した。
あんた土方さんと同じくらいじゃね?Σ( ̄□ ̄‖)と驚いた…
日向の皆さん、こんなのが大将でいいんですか?(’’)
少年なおっさん、管理人は好きですがね(w