「好きです。」
「へ?」
急に隣から聞こえた声に千尋は驚いて目を見開いた。
隣を見ればそこには幸せそうな笑みを浮かべている風早が立っている。
一応、恋人同士という間柄だから『好きだ』ということは言葉にしなくてもわかっているはず。
それなのに、今わざわざ風早がその気持ちを口に出した理由がわからなくて、千尋は顔を赤くしながらも目をそらすことができなかった。
「えっと…どうしたの?」
「どうしたの、と言われても…千尋が好きですと伝えたつもりなんですが…。」
「そ、それは…わかってるから…。」
とうとう千尋は恥ずかしさでうつむいた。
いつも見慣れているやさしい風早の顔もさすがにこの状況では平気な顔で見つめることなんてできない。
「わかってくれているのは嬉しいですが、ちゃんと言葉で伝えたかったんです。」
「あ、ありがとう…。」
「千尋は?」
「へ?」
問われて視線を上げて、覗き込む風早の目を見て千尋は更に顔を赤くした。
もちろん答えは決まっている。
けれど、それを口に出すのは恥ずかしい。
「千尋は俺のこと、好きですか?」
予想していたよりもずっと真剣な声にハッとした千尋は、何を考える間もなくとっさに口を開いていた。
「大好きだよ!」
ほぼ反射で、しかも大声で答えた千尋に風早は一瞬驚いてから、すぐに幸せそうに微笑んで見せた。
風早の笑顔を見て自分が何を言ったのかに気付いて千尋が慌てれば、その視界が急に暗くなった。
「嬉しいです、ありがとうございます。」
頭上から静かな声が降ってきて、千尋は風早に抱きしめられたまま微笑んだ。
いつも自分のことを気遣って心を砕いてくれる人。
そんな恋人がステキな言葉をくれるから。
千尋は風早の背に腕を回し、ギュッときつく抱きついた。
すると風早も抱き返してくれて…
二人は柊が探しに来てあきれるまで、ずっとそうして抱き合っていた。
管理人のひとりごと
まあ、バカップルです(マテ
たまにこういうのもいいかなぁって。
というか、この二人はいつもこんな感じな気もする…
風早と千尋は付き合いが長いからね、たまにちゃんと確認しましょうというお話。
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