「編成は済んだ。君には王として一声かけてやってもらいたい。」
「はい、わかりました。他に何か私にできることありますか?」
忍人は夕食をはさんで千尋と向かい合わせに座っていた。
今では日課のように毎日二人は夕食を共にしている。
その夕食時の話題が新しく編成された部隊について、だった。
千尋は忍人の話を真剣に聞いて、その視線はまっすぐ忍人をとらえている。
そのことに気付いて忍人は小さく溜め息をついた。
「忍人さん?」
「すまない。」
「はい?何がですか?」
無邪気に小首を傾げる千尋を見て、忍人は再び溜め息をついた。
千尋はいつも一生懸命で、忍人に対しても決して甘えることなくしっかりと対峙してくれる。
けれど、今の忍人は千尋の婚約者でもある。
今ここに風早がいたら、おそろしく迫力のある笑顔ですごまれたことだろう。
千尋をなんだと思っているんですか?と。
そうとわかっていても千尋に甘い顔ができる性質ではない忍人は、眉根を寄せて考え込んだ。
「あの…忍人さん?」
「俺は君にさっきから仕事の話しかしていない。」
「でも、それは必要だからで…。」
「いや違う。俺が仕事以外の話を思いつかないだけだ。すまない…。」
戦場の鬼将軍とは思えないくらい落ち込む忍人を見て、千尋はゆっくり椅子から立ち上がり、窓辺に立った。
「忍人さん、綺麗な夕焼けですよ。」
窓の外は夕陽で真っ赤に染まっていた。
千尋の声に誘われて忍人が恋人の隣に立てば、千尋が嬉しそうに微笑んで見せた。
「私はこうして忍人さんと二人で並んでいられるだけで幸せです。だから、そんなに気にしないで下さい。」
本当に幸せそうな顔をして見せてくれる恋人を忍人はそっと抱きしめた。
言葉で語るのは得意ではない。
けれど、恋人を想う心は本物だから。
その想いが伝わるように…
忍人は両腕で大切に大切に、そしてできるだけ優しく、想いをこめて千尋を抱きしめた。
管理人のひとりごと
4で一番言葉が苦手そうなのは忍人さんかなぁと思います。
1の某ワンコ武士なみに(’’)
不器用さとかも似てるかなと思います。
ただ似てないのは、神子命!にならないところかなぁ(マテ
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