
千尋はずっと赤い顔のままだった。
何故かと言うと、ずっと遠夜の膝の上に乗せられたままだから。
木陰で小休止しているだけだったはずなのに、たまに二人きりだからと遠夜の好きなようにさせていたらいつの間にかそんなことになっていた。
いまさら下ろしてとも言えなくて赤い顔のまま遠夜にとらわれ続けているというわけだ。
二人で寄り添っているだけで遠夜はとても幸せそうな顔をしてくれるから、千尋も恥ずかしくはあっても決していやというわけじゃない。
「神子…。」
突然耳元に聞こえた声に、千尋は思わず息を飲んだ。
遠夜の声はとても小さいのに艶やかで、少しかすれていてなんだかとても色っぽかったから。
ところが、千尋の驚きはそれだけでは終わらなかった。
千尋の体を優しく抱きしめた遠夜は、その手でそっと千尋の髪を撫でた。
サラサラとした感触を楽しんでいるかのように何度か金の髪を撫でた遠夜の手は、次に千尋の頬を撫でた。
さすがに驚いた千尋が振り返ると、遠夜が小首を傾げた。
「遠夜、あのね…。」
恥ずかしいからやめてといおうとして、千尋は言葉に詰まった。
遠夜があまりにも無邪気な顔で自分を見つめていることに気付いたからだ。
「…なんでもない……。」
千尋が真っ赤な顔でうつむくと遠夜がその瞳を心配そうに曇らせて覗き込んだ。
「神子はオレにふれられるのがイヤ?」
「へ。」
あまりに切ない声に千尋は驚いて視線を上げた。
「イヤじゃないよ!」
「今、避けようとした…。」
「それは…ちょっと恥ずかしかっただけで…。」
千尋がはにかんでいるだけだと知った遠夜は優しく目を細めた。
そして再びその手が千尋の頬を撫でる。
「こうしてふれているだけでワギモのそばにいると感じることができる。だから、神子がイヤでないのなら、ふれさせてほしい。」
「遠夜…うん、でも二人きりの時だけにしてね。」
千尋が小さくうなずくと、遠夜の顔にははっきりとした笑みが浮かんだ。
管理人のひとりごと
殿下と違って(笑)遠夜は千尋に触れてもいやらしそうじゃないなぁと(マテ
純粋に無邪気にその存在がそこに在ることを確かめているって言うのは一番似合うでしょう(^^)
触れていないと不安っていう感じも似合うわ、遠夜は♪
何の裏もなく、ただ触っていると幸せだって言われちゃったら千尋だってダメとは言えません(w
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