
「姐さん!こっちもお願いします!」
「はーい。」
今日、耳にするのは何度目かわからない会話の後にはパタパタとせわしない足音が響いた。
そして甲板にあぐらをかいて座っているサザキはというと、不機嫌そうに目の前を行ったり来たりしている千尋を眺めていた。
空は快晴。
風の中を散歩するにはもってこいだというのに、千尋の体があかないのだ。
やっとの思いで千尋に妻になってもらったのもつかの間、サザキの妻ということはイコールみんなの姐さんになってしまった千尋は、目下、日向の仲間達から引っ張りだこというわけだ。
仲間達に人気なのは喜ばしいことではあるけれど、おかげでサザキは一人放置されてしまっている。
「姐さん、それが済んだら一緒に釣りしましょうぜ。」
さすがにこの一言でサザキは立ち上がった。
雑用だけならまだしも、釣りになど駆り出されたら千尋をいつになったら解放してもらえるのかわかったものではない。
答えに困っている千尋の前に立って、サザキは辺りを見回すと、すっと深く息を吸った。
「お前らの姐さんは釣りなんかしねー!これが終わったらオレ様と空の散歩だ!」
「そんなぁ…。」
「そんなぁじゃねえ!お前らの姐さんはオレのものだ!オレの宝なんだ!」
ゼェゼェいいながらサザキがそう大声で宣言すると、仲間達は千尋ににっこり微笑みかけた。
「よかったですね、姐さん。」
「うん。」
「はぁ?」
なんのことかわからずにサザキが小首を傾げれば、千尋はテレくさそうに頬を赤くして微笑んだ。
「だってサザキ、私がみんなの手伝いばっかりしてても何も言わないから、妬いてもくれないのかなって心配で…。」
一瞬、キョトンとしたサザキはすぐに顔を真っ赤にすると、突然千尋を抱いて空へと飛び立った。
「サザキ?」
「妬くに決まってるじゃねーか。」
「そうなの?」
「だから、今日はしばらく空の散歩に付き合ってくれねーか?」
「うん、喜んで。」
千尋はぱっと輝くような笑顔を見せてそう言うと、サザキの首に抱きついた。
空は果てしなく広がる青。
いつしかそんな空を行く二人の顔には幸せそうな笑みが浮かんでいた。
管理人のひとりごと
結婚してからも少年やってるサザキの図(笑)
でも、あんまり妬かせると大声で大宣言(w
30過ぎて少年やってりゃ結婚しようが子供できようが少年(’’)
サザキはそれでいいかなと♪
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