千尋は隣に座っている那岐の顔を見てクスッと笑った。
たまにこうして二人で過ごす時間を作っても那岐は昼寝ばかりしている。
でも今日は珍しく起きている那岐がなんだかおかしくて、千尋の顔からは笑みが絶えない。
「さっきから何?」
「那岐が起きてるの珍しいなと思って。」
「寝てた方がいいわけ?」
「まさか。」
いつものように仏頂面の那岐に対して千尋は楽しそうだ。
そんな千尋を見て那岐は小さく溜め息をついた。
「何がそんなに楽しいんだか。」
「向こうの世界にいた時のことを思い出してたの。」
「ホームシック?」
「違う違う。那岐、知ってた?学校のみんなに那岐って王子様って呼ばれてたんだよ。」
「はぁ?」
「今になってみると本当に王子様だったんだなぁと思って。」
「……。」
那岐の眉間にシワが寄るのを見て、千尋はまたクスッと笑みを漏らした。
王子様と呼ばれるのはきっと那岐にとってはさぞかし迷惑なことだろう。
それなのに今は本物の王子様をやっているなんて。
「僕はよく千尋には惚れないかって聞かれたよ。」
「へ?」
「同じ家で暮らしてってさ、あいつがいるのに有り得ないって。」
「あ、ああ、風早も一緒に暮らしてたもんね。」
「でも、今は違う。」
「まぁ、そう、だね。」
千尋が顔を赤くしてうつむくとあっという間に那岐の手でその顔を上向かせられて、掠めるように口づけられた。
「那岐!」
「何か問題ある?」
「ある!ここは外!」
「あ、そ。」
那岐はつまらなそうにそう言うと、千尋の膝に頭を乗せて横になった。
「ちょ……。」
千尋が慌てているうちに那岐は目を閉じてしまって…
あきらめたように溜め息をついた千尋は那岐の髪を優しくなでた。
向こうの世界が少しは懐かしくもあるけれど、こんなふうに平和な時間はどちらの世界でも同じように安らぐ。
今はただ、ゆっくりと愛しい人との時間を楽しむ千尋だった。
管理人のひとりごと
現代では王子様と呼ばれていたけれど、豊葦原じゃ本物の王子様な那岐。
本人はきっといい迷惑だろうなと(’’)
まぁ、千尋のためなら王子だろうが王様だろうがやっちゃうわけですが(w
なんだかんだ言って何気に千尋に手を出してそう…
管理人の中の那岐はそんな感じです(’’)(マテ
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