献立
 千尋は日曜が大好きだ。

 学校は休みで家には大好きな家族が二人。

 もちろん、二人の家族とは、今一緒にソファに座ってテレビを見ている那岐と、テレビは見ていないけれど近くの椅子に座って本を読んでいる風早のことだ。

 こうして何気ない一時が大好きだから、なんでもないテレビ番組をつまらなそうな那岐と二人並んで見ていたりする。

「あ、これおいしそう!」

 テレビでやっていたのはちょっとした料理番組。

 そのあまりにおいしそうな映像に千尋は思わず身を乗り出してしまった。

「千尋、がっつくなよ、テレビだろう?」

「だっておいしそうなんだもん、那岐だって食べたいでしょう?」

「いいや。」

 いつものごとく面倒そうな那岐に千尋はプッとむくれて頬を膨らませる。

「すっごくおいしそうだよ!あ、材料と作り方メモしておこうっと。」

 千尋は急いでサイドボードにおいてある筆記具を持ってくると真剣にメモを取り始めた。

「料理一つによくそんな労力を使えるよね。」

「おいしいものを食べるためには努力も必要なの!那岐もたまには研究してよ。」

「お断り。」

「もぅ。」

 那岐のものぐさにあきれながらも千尋はテレビを睨みつけるように見ながらメモをとり続けた。

「よしっと、明日学校の帰りに買い物行って作ってみようかなぁ。」

 料理番組が終わって、とり終わったメモを眺めながら千尋がニコニコしていると、急に千尋の手からそのメモが取り上げられた。

「え?那岐?」

「違うよ。」

「あれ、え?風早?」

「ちょっと買い物に行ってきます。」

「へ?」

「千尋、食べたいのでしょう?」

 そう言って風早はニコニコと微笑みながら歩き出す。

「ちょっ、風早!」

「風早は千尋に甘すぎ。」

「千尋がわがまま言うことなんて滅多にないんですからこれくらいはいいんですよ。」

「それはわがまま言う前に風早がみんなやってくれるからだよ!買い物行くなら私も行くから!一緒に作るし!」

「じゃぁ、一緒に行きましょうか。」

 慌てて追いかけた千尋を待って風早は一緒に玄関へ向かった。

 そんな二人を見送って那岐は小さく溜め息をつく。

 こんなことは日常茶飯事、慣れたものだ。

 千尋に甘い風早のおかげでおいしい夕飯にありつけるならそれはそれでよし。

 そんなことを思いながら那岐は午睡を楽しむことに決めた。





管理人のひとりごと

千尋ちゃんが食べたいって言うものなら巨大プリンとかだって作ってくれます、風早は(笑)
雑誌を見てこんな服が着たいって言おうものなら縫ってくれます!(マテ
何もかもを思い出してしまったらつらいこともたくさんある。
そういう未来も覚悟している風早だから、この世界ではいくらでも甘やかすんです(’’)
でも、甘やかされすぎて危機感を覚えて千尋ちゃんはしっかりものに育ちます(笑)







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